冷凍倉庫を探している方にとって、倉庫の温度帯ごとの違いや、それぞれの倉庫に適した保管物を理解することは重要です。
物流倉庫には、冷凍倉庫・冷蔵倉庫・定温倉庫・常温倉庫の4種類があり、それぞれ適した温度帯で食品や医薬品、化学製品などを保管できます。
本記事では、各温度帯の倉庫の特徴や、冷凍倉庫を借りるメリット、選び方のポイントについて詳しく解説します。
【冷凍倉庫探している人必見】物流倉庫の温度帯とは

物流倉庫は、保管する物の特性に応じて異なる温度帯に分類されます。特に冷凍倉庫は、食品や医薬品などの温度管理が厳密に求められるアイテムを保管するために設計されています。ここでは、冷凍倉庫を含む4つの温度帯について詳しく解説します。
冷凍倉庫
冷凍倉庫は、温度が-18℃以下に設定されている倉庫を指します。
長きにわたり、倉庫業法施行規則(昭和31年運輸省令第59号)第3条の11において、冷蔵・冷凍倉庫については冷蔵室の保管温度が常時摂氏10度以下に保たれるものと定められていました。しかし令和6年4月より、保管料の高騰を抑制するとともに、環境負荷の低減を図る観点から従来の温度帯区分をさらに細分化し、下記のような新温度帯に設定し直されています。
| 区分 | 温度帯(新) |
| C3 | -2℃を超え、+10℃以下のもの |
| C2 | -10℃を超え、-2℃以下のもの |
| C1 | -18℃を超え、-10℃以下のもの |
| F1 | -24℃を超え、-18℃以下のもの |
| F2 | -30℃を超え、-24℃以下のもの |
| F3 | -35℃を超え、-30℃以下のもの |
| SF1 | -40℃を超え、-35℃以下のもの |
| SF2 | -45℃を超え、-40℃以下のもの |
| SF3 | -50℃を超え、-45℃以下のもの |
| SF4 | -50℃以下のもの |
出典:国土交通省「倉庫業法第三条の登録の基準等に関する告示の一部を改正する告示について」
参考:e-GOV法令検索「倉庫業法施行規則」
冷凍倉庫は、主に食品や医薬品などの温度管理が厳しい商品を保管するために利用されます。この温度帯は、微生物の活動を抑制し、食品の劣化を防ぐために非常に重要です。
冷凍倉庫では、肉類や魚介類、冷凍野菜、アイスクリームなどが一般的に保管されており、これらの製品は冷凍状態を維持することで、長期間の保存が可能になります。
冷凍倉庫の設計には、効率的な冷却システムや断熱材が使用されており、外部の温度変化に影響されにくい構造になっています。また、冷凍倉庫内の温度管理は非常に重要であり、定期的な温度チェックや監視システムが導入されていることが一般的です。これにより、万が一の温度上昇や故障時にも迅速に対応できる体制が整えられています。
冷蔵倉庫
冷蔵倉庫は、前表のとおり温度帯が-18℃~+10℃までに設定されており、主に食品や医薬品の保管に適しています。この温度帯は、微生物の繁殖を抑えつつ、食品の鮮度を保つために最適な環境を提供します。特に、乳製品や生鮮食品、冷凍食品の解凍後の保管、さらには一部の医薬品や化学製品にも利用されます。
冷蔵倉庫の特徴としては、温度管理が厳格に行われることが挙げられます。温度センサーや監視システムが導入されており、異常が発生した場合には即座に対応できる体制が整っています。
定温倉庫
定温倉庫は、特定の温度範囲を維持することが求められる商品を保管するための倉庫です。一般的には、温度が+10℃~+25℃の範囲に設定されており、温度変化に敏感な製品に適しています。この温度帯は、食品や医薬品、化学製品など、品質を保つために厳密な管理が必要なアイテムに最適です。
定温倉庫の特徴として、温度管理が徹底されていることが挙げられます。温度センサーや冷却装置が設置されており、常に一定の温度を保つことが可能です。これにより、保管物の劣化を防ぎ、長期間にわたって品質を維持することができます。また、湿度管理も行われることが多く40~50%程度が目安とされ、特に湿気に敏感な製品に対しても安心して保管できます。
常温倉庫
常温倉庫は、温度管理が必要ない商品を保管するための倉庫です。厚生労働省の資料によると、日本工業規格(JIS)において常温での保管条件は+5~+30℃と設定されています。
常温倉庫の利点は、冷凍や冷蔵に比べて運用コストが低いことです。冷却設備が不要なため、電気代やメンテナンス費用を抑えることができます。但し、常温食品の菓子類(チョコレート)などを取り扱う場合には部分的に定温スペースを用意して保管する必要があります。
常温倉庫は多様な商品に対応できるため、企業のニーズに合わせた柔軟な保管が可能です。例えば、食品や日用雑貨品、衣類などの季節商品やプロモーション商品など、需要に応じて保管する商品を変えることができるため、在庫管理の面でもメリットがあります。
出典:厚生労働省「NSAJ 基準Bガイドライン|4-1.仕入れ販売商品」
【温度帯別】倉庫に保管できるモノとは

物流倉庫には、温度帯によって異なる特性があり、それぞれに適した保管物があります。ここでは、4つの温度帯別の保管可能な物品について詳しく解説します。
冷凍倉庫に保管できるもの
冷凍倉庫は、特に温度管理が厳密に求められる食品や医薬品の保管に適しています。
具体的には、肉類や魚介類、冷凍野菜、アイスクリームなどの冷凍食品が主に保管されます。これらの食品は、冷凍状態で保存することで細菌の繁殖を抑え、風味や栄養価を保持することができます。また、医薬品の中には、冷凍保存が必要なものもあり、特にワクチンや一部の生物製剤は、冷凍倉庫での保管が求められます。
さらに、化学製品の中には、特定の温度での保存が必要なものも存在します。これらの製品は、冷凍倉庫での保管によって、品質の劣化を防ぎ、安定した状態を保つことができます。
冷蔵倉庫に保管できるもの
冷蔵倉庫では、以下のようなものが保管できます。
まず、食品業界では生鮮食品が代表的です。肉類や魚介類、乳製品、野菜、果物などは、冷蔵倉庫での保管が求められます。これらの食品は、適切な温度管理を行うことで、風味や栄養価を維持し、消費者に安全な状態で提供することが可能です。
次に、医薬品も冷蔵倉庫での保管が必要なアイテムの一つです。特にインスリンなどの温度管理が厳格に求められる医薬品は、冷蔵倉庫での保管が不可欠です。これにより、効果を最大限に引き出し、患者に安全に使用してもらうことができます。
さらに、化学製品の中には、冷蔵保存が必要なものもあります。特に、温度変化に敏感な化学薬品や試薬は、冷蔵倉庫での保管が推奨されます。これにより、品質の劣化を防ぎ、安定した状態での使用が可能となります。
定温倉庫に保管できるもの
定温倉庫に保管できるものとしては、主に化粧品や医薬品、電子機器、特定の化学製品などがあります。これらの製品は、温度変化に敏感であり、適切な温度管理が行われないと品質が劣化する可能性があります。例えば、医薬品はその効果を維持するために、一定の温度での保管が求められます。また、化粧品も成分が変質することを防ぐために、温度管理が重要です。
さらに、電子機器も定温倉庫での保管が推奨されます。高温や低温、湿度の変化にさらされると、内部の部品が劣化したり、故障の原因となったりすることがあります。
常温倉庫に保管できるもの
常温倉庫に適した保管物には、まず、飲料、酒類、乾燥食品や缶詰、調味料などが適しています。これらの食品は冷蔵や冷凍の必要がなく、常温での保管が可能です。また、パスタや米、豆類などの穀物類も常温倉庫での保管が推奨されます。これらの食品は、湿気や直射日光を避けることで、長期間の保存が可能です。
次に、日用品や雑貨も常温倉庫に適しています。洗剤やトイレットペーパー、衣類などは、温度変化に影響されることが少ないため、常温での保管が可能です。さらに、書籍や文房具、電子機器の一部も常温倉庫での保管が適していますが、湿気や温度変化には注意が必要です。
冷凍倉庫を借りるメリット

冷凍倉庫を借りることには、さまざまなメリットがあります。ここでは3つの利点をご紹介しましょう。
食品の品質を保ったまま保管できる
冷凍倉庫の最大のメリットの一つは、食品の品質を保ったまま長期間保管できる点です。冷凍倉庫は、一般的に-18℃以下の温度で運営されており、この低温環境は食品の劣化を防ぎ、風味や栄養価を保持するのに非常に効果的です。特に肉類や魚介類、乳製品などは、冷凍保存によって細菌の繁殖を抑え、食品の安全性を確保することができます。
さらに、冷凍倉庫は、季節に関係なく安定した品質を保つことができるため、需要の変動が大きい食品業界においても、計画的な在庫管理が可能です。
参考:在庫管理がカギ!飲食店経営を黒字化するための基礎知識 – REDISH
廃棄のリスクを最小限に抑えられる
冷凍倉庫を利用する大きなメリットの一つは、廃棄のリスクを最小限に抑えられる点です。例えば、冷凍食品や生鮮食品を扱う企業にとって、冷凍、冷蔵倉庫は欠かせない存在です。適切な温度で保管することで商品の品質を維持し、消費者に安全で美味しい商品を提供することができます。これにより、廃棄される食品の量を大幅に減少させることができ、企業のコスト削減にもつながります。
また、冷凍倉庫は季節による需要の変動にも柔軟に対応できます。例えば、夏場に需要が高まるアイスクリームや冷凍野菜などを、冬~春に仕入れて冷凍倉庫で保管することで、必要な時に必要な量を供給することができます。
管理に従業員のリソースを割かなくて良くなる
冷凍倉庫を利用する大きなメリットの一つは、保管物の管理に関して従業員のリソースを大幅に削減できる点です。冷凍倉庫は、温度管理が厳密に行われているため、保管物の品質を維持するための手間が少なくなります。これにより、従業員は他の業務に集中できるようになり、全体の業務効率が向上します。
例えば、冷凍食品や医薬品など、温度管理が重要な商品を扱う場合、従業員が常に温度を監視したり、定期的にチェックを行ったりする必要がなくなります。冷凍倉庫では、温度管理システムが自動化されていることが多く、異常が発生した際にはアラートが発信されるため、迅速に対応することが可能です。このようなシステムにより、従業員は日常的な管理業務から解放され、より戦略的な業務に時間を割くことができます。
冷凍倉庫を選ぶ時のポイント

冷凍倉庫を選ぶ際には、下記のような4つのポイントを考慮する必要があります。要点を押さえ、自社に最適な倉庫を選びましょう。
料金とサービス内容が見合っているか
冷凍倉庫を選ぶ際には、料金と提供されるサービス内容が適切に見合っているかを確認することが非常に重要です。倉庫の利用料金は、温度管理や保管スペース、さらには付帯サービスによって大きく異なるため、単に価格だけで判断するのは避けるべきです。
まず、冷凍倉庫の料金体系を理解することが必要です。多くの倉庫では、保管する商品の量や期間に応じて料金が設定されており、長期契約を結ぶことで割引が適用される場合もあります。
また、冷凍倉庫は温度管理の精度や設備の充実度に差があり、これらの要素が料金にも影響を与えます。例えば、最新の冷凍技術を導入している倉庫は、比較的高めの料金に設定されることが一般的です。
次に、サービス内容についても詳しく確認しましょう。冷凍倉庫によっては、商品の入出庫管理や在庫管理、さらには配送サービスを提供しているところもあります。特に、商品の品質を保つためには適切な管理が不可欠であるため、サービス内容が充実している倉庫を選ぶことが望ましいでしょう。
最後に、料金とサービス内容のバランスを考慮し、自社のニーズに最も適した冷凍倉庫を選ぶことが、効率的な物流を実現するための鍵となります。
自社製品の保管温度に対応しているか
冷凍倉庫を選ぶ際に重要なポイントの一つは、自社製品の保管温度に対応しているかどうかです。製品によっては、特定の温度帯での保管が求められるため、倉庫の温度設定が適切であることが不可欠です。
そのため、倉庫を選ぶ際には、まず自社製品の保管に必要な温度帯を明確に把握しておくことが重要です。冷凍倉庫の場合、一般的には-18℃以下の温度が求められますが、製品によってはさらに低い温度が必要な場合もあります。倉庫業者に対して、自社製品に適した温度管理が行えるかどうかを確認し、必要に応じて温度の調整が可能かどうかも尋ねると良いでしょう。
また、温度管理だけでなく、温度の監視システムや記録の管理がしっかりと行われているかもチェックポイントです。定期的に温度データを確認し、異常があった場合には迅速に対応できる体制が整っているかどうかも、選定の際の重要な要素となるでしょう。
参考:倉庫の温度管理はなぜ重要?考えられるリスクや適切な温度管理方法などを詳しく解説!|ダイキン工業株式会社
配送車も冷凍対応しているか
冷凍倉庫を選ぶ際には、保管だけでなく配送手段も重要なポイントとなります。特に、冷凍食品や温度管理が必要な商品を扱う場合、配送車が何℃まで冷凍対応しているかを確認することが不可欠です。例えば-25℃以下での管理が必要な商品を、-18℃までしか対応していない車両で配送すると、配送中に温度が上昇し品質が劣化する恐れがあります。、最悪には廃棄を余儀なくされることもあるため、適切な配送手段を選ぶことも重要です。
まとめ
冷凍倉庫を探している方にとって、温度帯の理解は非常に重要です。物流倉庫には冷凍倉庫、冷蔵倉庫、定温倉庫、常温倉庫の4種類があり、それぞれ異なる温度帯で特定の保管物に適しています。
これらの倉庫の特性を理解することで、自社のニーズに合った倉庫を選ぶことが可能です。
さらに、冷凍倉庫を借りる際には、料金やサービス内容、自社製品の保管温度に対応しているか、配送車の冷凍対応など、選ぶ際のポイントも考慮する必要があります。これらを踏まえた上で、適切な倉庫を選ぶことで、商品の品質を保ちながら効率的な物流を実現できるでしょう。
参考:ECにおける冷凍倉庫の役割と効率的な活用方法 | EC通販の発送代行・物流代行・物流アウトソーシングならウルロジ