物流倉庫で使われるパレットとは?種類や形状、規格について解説
物流倉庫で使用されるパレットは、荷物の保管や輸送を効率化するために欠かせないツールです。パレットを利用することで、フォークリフトなどの機械で荷物を一括して運搬でき、作業の省力化や破損リスクの軽減にもつながります。
パレットには素材や形状、サイズなどさまざまな種類があるため、用途に応じて選択する必要があります。本記事ではパレットの種類や形状、規格について詳しく解説します。また、パレット輸送のメリットについても紹介していきます。
物流倉庫で使用される「パレット」とは

パレットは、荷物を安定して載せるための平面構造を持ち、フォークリフトやハンドリフトなどの機械を使用して簡単に移動できるように設計されています。作業者は、重い荷物を一つずつ持ち運ぶ必要がなくなるため、作業の省力化が実現します。
パレットを使用すれば、荷物の破損リスクを軽減することも可能です。載せられた荷物は安定した状態で保管されるため、輸送中の揺れや衝撃から守られます。
また、パレットは積み重ねることも可能なため、倉庫内のスペースを有効に活用できます。このように、物流倉庫で使用されるパレットは、効率的な物流を支えるために欠かせない存在です。
【素材別】物流パレットの種類一覧

物流倉庫で使用されるパレットにはさまざまな種類があり、それぞれの特性や用途に応じて選ばれています。
| 素材 | 主なメリット | 注意点 |
| 木製パレット | ・強度が高く、重量物の保管・輸送にも使いやすい ・比較的安価で入手しやすい | 湿気や虫害の影響を受けやすく、保管環境に注意が必要 |
| プラスチックパレット | ・軽量で湿気や腐食に強い ・洗浄しやすく、衛生管理が必要な現場でも使いやすい | 木製に比べて初期費用が高くなる場合がある |
| 段ボールパレット | ・軽量で扱いやすく、リサイクルしやすい ・一時的な保管や輸送に向いている | 水や湿気に弱く、重量物の保管・輸送には向かない場合がある |
| 金属パレット | ・強度・耐久性が高く、重量物や鋭利な物品の運搬に適している ・繰り返し使いやすい | 他の素材に比べて重く、取り扱いに注意が必要 |
ここでは、代表的なパレットの種類について詳しく解説します。
木製パレット
木製パレットは、物流倉庫で最も一般的に使用されるパレットの一つです。主な特徴は、強度と耐久性に優れていることです。
木材は自然素材であり、適切に処理された木製パレットは重い荷物を支える能力が高く、長期間の使用にも耐えることができます。また、木製パレットは比較的安価で入手しやすく、コストパフォーマンスにも優れています。
木製パレットの中にはリサイクルが可能なものもあり、使用後は再利用や再加工が行われることもあります。この場合は環境への負荷を軽減することができ、持続可能な物流の実現にも寄与しています。
ただし、木製パレットは湿気や虫害に弱いという欠点もあるため、保管や輸送の際には注意が必要です。
プラスチックパレット
プラスチックパレットは、軽量で耐久性に優れた特性を持つため、物流倉庫での使用が増加しています。
主にポリプロピレンやポリエチレンなどの合成樹脂から作られ、腐食や湿気に強く、清掃が容易な点が大きな魅力です。このため、食品や医薬品などの衛生管理が求められる業界でも広く利用されています。
プラスチックパレットは、木製パレットに比べて長寿命であり、リサイクル可能な素材で作られているため、環境への配慮という点でも優れています。また、重量が軽いため、運搬時の負担を軽減し、作業効率を向上させることができます。
さらに、フォークリフトやハンドリフトでの取り扱いもスムーズで、作業者の安全性につながります。
段ボールパレット
段ボールパレットは、軽量でありながら一定の強度を持つため、特に一時的な保管や輸送に適したパレットの一種です。
主に段ボール素材で作られており、リサイクル可能なため、環境に優しい選択肢としても注目されています。段ボールパレットは、通常の木製パレットやプラスチックパレットと比較してコストが低く、使い捨てとしての利用が可能です。
段ボールパレットは、主に軽量な商品や、輸送時にあまり重さをかけたくない荷物に使用されます。例えば、食品や衣料品、電子機器など、比較的軽い商品を扱う物流倉庫での利用が一般的です。
また、段ボールパレットは積み重ねが容易で、保管スペースを効率的に活用できる点も魅力です。ただし、段ボールパレットには耐水性が低いという欠点があります。湿気や水にさらされる環境では、強度が低下しやすく、破損のリスクが高まります。
金属パレット
金属パレットは、主にスチールやアルミニウムなどの金属素材で作られたパレットで、非常に高い耐久性と強度を持っています。
重い荷物や鋭利な物品を扱う際にも安心して使用できるため、特に製造業を代表とする工業の現場で重宝されています。金属パレットは、木製やプラスチック製のパレットに比べて長寿命であり、繰り返し使用することが可能です。
また、金属パレットは防水性や防火性に優れているため、湿気や火災のリスクがある環境でも安心して使用できます。さらに、リサイクルが容易で環境に優しい点も魅力の一つです。
金属パレットは、特に重い荷物を運搬する際に、その強度と安定性から選ばれることが多く、フォークリフトなどの機械での取り扱いもスムーズに行えます。一方で、金属パレットは他の素材に比べて重量があるため、運搬時の取り扱いに注意が必要です。
【形状別】物流倉庫パレットの種類一覧
パレットの形状は、荷物の種類や保管方法、輸送手段によって異なります。
| 形状 | 主な特徴 | 適した用途 |
| 平パレット | ・平らな形状で、荷物を安定して載せやすい ・フォークリフトやハンドリフトで扱いやすい | 一般的な保管・輸送、段ボールやケース商品の運搬 |
| ボックスパレット | ・四方に囲いがあり、荷物の落下や荷崩れを防ぎやすい | 小さな部品、不安定な形状の荷物、ばら物の保管・輸送 |
| ロールボックスパレット | ・車輪付きで、人の手で移動しやすい ・荷物の出し入れもしやすい | 小物・中型商品の店舗配送、流通センターでの仕分け |
| ポストパレット | ・四隅に支柱があり、積み重ねや荷崩れ防止に役立つ | 重量物、大型商品、積み重ねて保管したい荷物 |
| シートパレット | ・薄く軽量で、保管時に場所を取りにくい | 省スペース化したい輸送・保管、軽量商品の運搬 |
| サイロパレット | ・側面が高い構造のため、粉体や粒状の荷物がこぼれにくい | 穀物、粉体、粒状原料の保管・輸送 |
| タンクパレット | ・液体を入れるタンク状の構造で、耐久性や耐腐食性が求められる | 液体原料、薬品、食品液体などの保管・輸送 |
適切な形状のパレットを選ぶことで、効率的な物流を実現することができます。ここでは、代表的なパレットの形状について詳しく解説します。
平パレット
平パレットは、物流倉庫や輸送業界で最も一般的に使用されるパレットの一種です。
その名の通り平らな形状をしており、荷物を安定して載せることができるため、効率的な運搬が可能です。通常、平パレットは木製、プラスチック製、金属製など、さまざまな素材で作られていますが、特に木製パレットが広く普及しています。
平パレットの主な特徴は、そのシンプルな構造にあります。四隅にフォークリフトやハンドリフトの爪を差し込むための隙間が設けられており、これにより荷物を一括して持ち上げることができます。
また、平らな面は荷物をしっかりと支えるため、安定性が高く、輸送中の荷崩れを防ぐ役割も果たします。
ボックスパレット
ボックスパレットは、荷物を安全に保管・輸送するための特殊な形状を持つパレットです。
通常の平パレットとは異なり、四方に壁が設けられており、荷物が落下するリスクを大幅に軽減します。この特性により、特に不安定な形状の荷物や小さな部品を扱う際に非常に有効です。
ボックスパレットは、主にプラスチックや金属で作られており、耐久性が高く、再利用が可能な点も魅力です。
プラスチック製のボックスパレットは、軽量で腐食しにくく、衛生面でも優れています。一方、金属製のものは、重い荷物や厳しい環境下でも使用できるため、工業用途での需要が高い傾向にあります。
また、ボックスパレットは積み重ねが可能で、空間を有効に活用できるため、物流倉庫内での保管効率を向上させることができます。フォークリフトやハンドリフトでの取り扱いも容易で、作業の効率化にも寄与します。
なお、ボックスパレットの一種として、金属製のメッシュ構造を持つパレテーナもあります。パレテーナは中身を確認しやすく、部品や資材、不定形な荷物の保管・輸送に使いやすい点が特徴です。
▶︎パレテーナ(メッシュボックスパレット)とは?物流現場で活躍する理由と使い方、メリットを解説
ロールボックスパレット
ロールボックスパレットは、特に流通業界や物流倉庫で広く使用されているパレットの一種です。このパレットは四方に囲まれた形状をち、車輪がついているため移動にフォークリフトを使用する必要がありません。
ロールボックスパレットは、特に小物や中型の荷物を効率的に運搬するのに適しています。側面が開いているため、荷物の出し入れが簡単で、作業効率を大幅に向上させることができます。また、このパレットは折り畳みが可能で、使用しないときは省スペースでの保管が可能です。
さらに、ロールボックスパレットは、耐久性が高く、長期間の使用に耐えることができるため、コストパフォーマンスにも優れています。食品や医薬品などの衛生管理が求められる業界でも重宝されています。
ポストパレット
ポストパレットは高い積載能力を持つパレットの一種で、四隅に立ち上がった支柱が特徴的です。このポストは荷物をしっかりと固定する役割を果たし、輸送中の荷崩れを防ぐために設計されています。
ポストパレットは、特に不安定な形状の荷物や、積み重ねる必要がある場合に非常に有効です。ポストパレットは、通常の平パレットより高い積載能力を持つため、重い荷物や大きなサイズの荷物を扱う際に適しています。
また、ポストの高さはさまざまで、荷物の種類や輸送条件に応じて選択することができます。これにより、倉庫内での保管や輸送時に、スペースを有効に活用することが可能です。
さらに、ポストパレットは、積み重ねた際に安定性が高く、荷物を載せたまま輸送車へ積載することも容易です。これにより、作業の効率化が図れ、物流倉庫での運用において非常に重宝されています。
シートパレット
シートパレットは、薄く、軽量であるため、特にスペースの制約がある倉庫や輸送環境での使用に向いています。シートパレットは、荷物を安定して保持するための設計が施されており、底面が平らであるため、フォークリフトやハンドリフトでの取り扱いが容易です。
シートパレットは軽量であることから、運搬時のコスト削減に寄与する点が挙げられます。また、薄型のため収納時に省スペースであることも大きな利点です。
さらに、シートパレットは、通常のパレットと同様に、積み重ねて保管することができるため、効率的な在庫管理が可能です。食品業界や医療業界など、衛生面が重視される分野でも、その特性が活かされています。
サイロパレット
サイロパレットは、特に穀物や粉体などの物品を効率的に保管・輸送するために設計された特殊なパレットです。このパレットは通常のパレットと異なり、側面が高く設計されており、荷物がこぼれ落ちるリスクを軽減します。
サイロパレットは、主に農業や食品業界で使用されることが多く、特に大量の穀物や粉末状の製品を扱う際にその効果を発揮します。サイロパレットの特徴は密閉構造になっている点です。また、側面と蓋に加えて、下部にも開閉装置が備わっています。
タンクパレット
タンクパレットは、液体を安全に保管・輸送するために設計された特別なパレットです。このパレットは、通常、耐腐食性のある素材で作られており、強度と耐久性に優れています。
さらに、タンクパレットには、液体の容量に応じたサイズが用意されており、必要に応じて複数のタンクパレットを連結して使用することも可能です。これにより、限られたスペースでも効率的に液体を保管することができます。
また、タンクパレットは、フォークリフトやクレーンなどの機械で簡単に移動できるため、物流倉庫内での作業効率を向上させる役割も果たします。
【業界別】物流パレットの種類一覧
物流パレットは、扱う荷物の種類や保管環境によって適した素材・サイズが異なります。業界ごとの物流パレットの特徴を整理すると、以下のとおりです。
| 業界 | 主なパレットサイズ・種類 | 特徴 |
| 食品 | ・1,100mm × 1,100mm ※冷蔵冷凍食品では1,200mm × 1,000mmも使用 | 衛生管理が重要で、洗浄しやすく湿気に強いパレットが適している |
| 酒類 | ・1,100mm × 900mm | 飲料ケースや瓶製品を安定して積載しやすいサイズが使われる |
| 医薬品 | ・1,100mm × 1,100mmを基準に検討 | 汚れや異物混入を防ぐため、清潔に保ちやすいパレットが適している |
| 自動車 | ・大型パレット ・専用パレット | 部品の大きさや重量に合わせ、強度や固定しやすさが重視される |
| 化学 | ・1,220mm × 1,220mm1,100mm × 1,400mm ・その他の平パレット | 薬品や原料など、貨物の性質や容器形状に合わせて使い分けられる |
ここでは、業界別に使われる物流パレットの特徴を解説します。
食品
食品業界では、加工食品や冷蔵冷凍食品など、扱う商品の種類によって使われるパレットが変わります。
加工食品では、国内で広く使われている「1,100mm × 1,100mm」のパレットが多い一方で、冷蔵冷凍食品では「1,200mm × 1,000mm」のパレットも使用されています。
また、食品を扱う現場では衛生管理が重要なため、洗浄しやすく湿気に強いパレットが選ばれやすい傾向があります。冷蔵・冷凍倉庫で使用する場合は、低温環境でも劣化しにくい素材を選ぶことも大切です。
酒類
酒類業界では、飲料ケースや瓶製品をまとめて運ぶため、荷姿に合ったパレットが使われます。
酒類・飲料では「1,100mm×900mm」のパレットが多く使用されています。酒類や飲料はケース単位で扱われることが多く、1ケースあたりの重量もあるため、積み付けたときの安定性が欠かせません。
繰り返し使用する場面も多いため、耐久性や管理のしやすさもパレット選びのポイントになります。
医薬品
医薬品業界では、汚れや異物混入を防ぎながら商品や材料を保管・輸送する必要があるため、清潔に保ちやすい素材や、管理しやすい形状のパレットが適しています。
サイズは荷物の形状や倉庫設備によって異なりますが、国内で広く使われている「1,100mm×1,100mm」のパレットを基準に検討される場合があります。
医薬品を扱う場合は、サイズだけでなく、保管温度や衛生管理の基準に加え、ラックに収まりやすいか、フォークリフトで扱いやすいか、清掃しやすい保管環境に合っているかという点も確認することが大切です。
自動車
自動車業界では、部品の大きさや重量に合わせて、大型パレットや専用パレットが使われることがあります。エンジン部品や金属部品など、重量のある荷物を扱う場面では、強度の高い鉄製・スチール製のパレットが適しています。
また、自動車業界では形状が揃っていない部品が多いため、荷物を固定しやすい構造や、部品ごとに設計された専用パレットが使われるケースもあります。破損や荷崩れを防ぐには、荷物のサイズ・重量・形状に合ったパレットを選ぶことが重要です。
化学
化学業界では薬品や原料、樹脂製品など、扱う貨物に合わせてパレットが使い分けられますが、ドラム缶4本を積載できる1,220㎜×1,220㎜サイズが広く使われています。
化学工業・プラスチック製品製造業・合成染料製造業では、「1,100mm×1,100mm」や「1,100mm×1,400mm」のほか、その他の平パレットも使用されています。
化学品は、内容物の性質や容器の形状によって取り扱い方法が変わるため、単にサイズだけでなく、耐久性や積載時の安定性についても考慮する必要があります。重量のある貨物や荷崩れしやすい貨物を扱う場合は、保管環境や輸送方法に合ったパレットを選定しましょう。
物流パレットのサイズ規格
パレットのサイズには、地域や国によって異なる規格が存在します。ここでは、日本国内と日本以外のパレットサイズの規格について詳しく見ていきましょう。
日本国内の場合
日本国内で使用されるパレットのサイズ規格は、主に「JIS規格」に基づいています。JIS規格では、一般的に使用されるパレットのサイズについて、1,100mm×1,100mm(11型)としています。
このサイズは、フォークリフトやパレットトラックなどの運搬機器との互換性を考慮して設計されており、効率的な荷物の移動を実現します。
日本のJIS11型であれば、日本の標準ダンボール(500mm×400mm程度)なら4つ程度、大型の段ボール(600mm×400mm程度)であれば2つ載るサイズになります。
また、日本国内では、特に食品業界や医療業界において、衛生面を重視したパレットの使用が求められています。そのため、プラスチック製のパレットが多く採用されており、洗浄が容易で、耐久性にも優れています。
さらに、木製パレットも依然として広く利用されており、コストパフォーマンスの面で優れた選択肢となっています。
参考:国土交通省「パレット標準化の現状と課題」
日本以外の場合
日本以外の国々においても、パレットのサイズや規格は地域ごとに異なるため、国際的な物流においては特に注意が必要です。
例えば、アメリカでは「GMAパレット」と呼ばれる48インチ×40インチ(約1,219mm×1,016mm)の木製パレットが広く使用されています。このサイズは、アメリカの流通業界で標準化されており、効率的な輸送と保管を実現しています。
また、ヨーロッパでは「ユーロパレット」が一般的で、サイズは1,200mm×800mmです。ユーロパレットは、EU内での流通を考慮して設計されており、特に食品や医薬品の輸送において高い信頼性を誇ります。
さらに、ユーロパレットは、EUの規格に適合した木材を使用しており、環境への配慮もなされています。ユーロパレットであれば、日本の標準ダンボールであれば底辺に最大で6つ、大型の段ボールが底辺に最大4つ載る計算になります。
アジア地域では、国によって異なる規格が存在しますが、一般的には日本の規格に近いサイズが多く見られます。例えば、中国では1,200mm×1,000mmや1,100mm×1,100mmのパレットがよく使用されており、これによりアジア内での物流がスムーズに行われています。
このように、国際的な物流においては各国のパレット規格を理解し、適切なサイズを選択することが重要です。輸送効率を高め、コスト削減を図ることが可能になります。
物流パレットへの荷物の積み方

物流パレットに荷物を積む際は、荷物の形状や重さ、輸送環境に合わせて積み方を選ぶことが重要です。
| 積み方 | メリット | 注意点 |
| ブロック積み | ・短時間で積み付けやすい | 横方向の力に弱く、荷崩れ対策が必要 |
| 交互列積み | ・荷物同士がかみ合いやすく、荷崩れしにくい | 全体が正方形に近くなる荷物でないと積みにくい |
| ピンホール積み | ・空気が通りやすく、温度管理がしやすい | 中央に隙間ができるため、積載効率は下がりやすい |
| ダブルピンホール積み | ・積載効率を高めながら、荷崩れを抑えやすい | 積み方が複雑で、作業に時間がかかる場合がある |
| スプリット積み | ・荷物サイズに合わせて積み付けやすい | 隙間は内側に寄せ、外周を安定させる必要がある |
| 窓積み | ・ラベルや表示面を確認しやすく、検品しやすい | 荷物の向きを意識して積む必要がある |
| レンガ積み | ・荷物同士がかみ合いやすく、荷崩れを抑えやすい | 荷物サイズとパレットサイズの相性確認が必要 |
| ◯回し◯段積み | ・積載数を共有しやすく、現場で指示しやすい | 荷物の向きや並べ方は別途指定する必要がある |
適切な積み方を選ぶことで、荷崩れの防止や積載効率の向上、検品作業の効率化につながります。続いて、代表的なパレットへの荷物の積み方を具体的に紹介します。
ブロック積み
ブロック積みは、荷物の向きをそろえて同じ方向に積み上げる方法です。シンプルな積み方のため、短時間で積み付けやすく、作業効率を高めやすい点が特徴です。
一方、荷物の向きが揃っている分、横方向からの力には弱くなります。輸送中の振動や揺れで荷崩れが起きる可能性があるため、ストレッチフィルムやバンドで固定するなどの対策が必要です。
交互列積み
交互列積みは、一段ごとに荷物の向きを90度変えながら積み上げる方法です。段ごとに向きが変わるため、荷物同士がかみ合いやすく、ブロック積みに比べて荷崩れしにくい特徴があります。
ただし、すべての荷物に使える方法ではありません。並べたときに全体が正方形に近い形になる荷物でなければ、綺麗に積み付けることが難しくなります。
ピンホール積み
ピンホール積みは、荷物を風車のように配置し、中央に空洞を作る積み方です。中央に空気の通り道ができるため、冷蔵・冷凍品など、温度管理が必要な荷物に適しています。
ただし、中央に隙間を作る分、パレット上の積載効率は下がりやすくなります。そのため、温度管理を優先するのか、積載量を優先するのかを考えて使い分けることが大切です。
ダブルピンホール積み
ダブルピンホール積みは、ピンホール積みの空洞部分を2つ作る積み方です。荷物の配置を工夫することで、通気性を確保しながら、ピンホール積みよりも積載効率を高めやすい点が特徴です。
一方で、積み方が複雑になるため、作業に慣れていないと時間がかかる場合があります。手作業で積み付ける現場では、作業手順を共有しておくことが重要です。
スプリット積み
スプリット積みは、レンガ積みの横向き部分にスプリットと呼ばれる隙間ができる積み方です。荷物のサイズとパレットサイズの関係上、隙間を作りながら積み付ける場合に用いられます。
隙間の位置によっては、上段の荷物を支えにくくなり、荷崩れの原因になります。そのため、隙間は外側ではなく内側に寄せ、荷物の外周が安定するように積むことが大切です。
窓積み
窓積みは、レンガ積みを応用した積み方で、横向きに置く荷物の列を増やす方法です。荷物のラベルや表示面を外側に向けやすいため、検品しやすい点が特徴です。
ただし、荷物の向きを意識しながら積む必要があるため、ブロック積みよりも作業に注意が必要です。出荷前の確認や検品作業を重視する現場に向いています。
レンガ積み
レンガ積みは、一段の中で荷物の縦向きと横向きを組み合わせて積む方法です。さらに、段ごとに向きを180度変えて積み上げることで、荷物同士がかみ合いやすくなります。
ブロック積みに比べると荷崩れしにくく、安定性を高めやすい積み方です。ただし、荷物のサイズによってはきれいに配置できないため、パレットサイズとの相性を確認する必要があります。
◯回し◯段積み
「◯回し◯段積み」は、1段に置く荷物の数と、何段積み上げるかを示す指示方法です。たとえば「5回し4段積み」であれば、1段に5個の荷物を置き、それを4段重ねるため、合計20個を積載することになります。
ただし、この表現だけでは、荷物の向きや並べ方までは決まりません。そのため、実際の現場では「レンガ積みで5回し4段」「ブロック積みで4段」など、積み方とあわせて指示すると認識のズレを防ぎやすくなります。
物流パレットを使用する際のメリット

パレットを使用した輸送には、さまざまなメリットがあります。ここでは代表的な物を3つご紹介します。
配送効率が良い
パレットを使用することで、物流倉庫における配送効率は大幅に向上します。
まず、パレットは荷物を一括して運搬できるため、フォークリフトやトラックの積載効率が高まります。これにより、同じ時間内により多くの荷物を運ぶことが可能となり、配送のスピードが向上します。
また、パレットを使用することで作業員の負担も軽減され、作業の効率化が図れます。荷物の積み下ろし作業がスムーズに行えるため、作業時間の短縮にもつながるでしょう。
輸送車内のスペースを最大限活用できる
パレットを使用することで、荷物を積載する際のスペースの無駄を最小限に抑えることが可能です。例えば、木製パレットやプラスチックパレットは、標準的なサイズで設計されているため、トラックの荷台にぴったりと収まります。
これにより、同じトラックにより多くの荷物を積むことができ、輸送回数を減らすことができます。また、パレットを使用することで、荷物同士の隙間を減らし、安定した積載が実現します。
さらに、パレットはフォークリフトなどの機械で簡単に扱えるため、積み下ろし作業も迅速に行えます。これにより、作業時間の短縮が図れ、全体の物流プロセスがスムーズに進行します。
荷物の破損リスクを抑えられる
物流倉庫において、パレットを使用することは荷物の破損リスクを大幅に軽減します。パレットは、荷物を安定して保持するための基盤を提供し、輸送中の揺れや衝撃から荷物を守る役割を果たすのです。また、フォークリフトなどの機械を使用して荷物を運搬する際、パレットに載せられた状態であれば、荷物同士の接触や落下のリスクが減少します。
さらに、パレットの設計によっては荷物の固定が強化されるため、輸送中の動きによる損傷を防ぐことができます。ボックスパレットやロールボックスパレットは、荷物を囲む形で保護するため、特に壊れやすい商品や不安定な形状の荷物に対して有効です。
物流パレットを使用する際の問題点
物流パレットは、荷役作業の効率化や荷崩れ防止に役立つ一方で、導入時にはいくつか注意すべき点があります。ここでは、パレットを使用する際の問題点を解説します。
荷物や車両によっては積載効率が下がる
パレットを使用すると、荷物や車両の条件によっては積載効率が下がる場合があります。
パレットには厚みや重量があるため、バラ積みに比べて積載できる荷物の量が少なくなることがあります。また、荷物とパレットのサイズが合っていない場合、荷台内に隙間が生じやすくなります。
例えば、パレットサイズが荷物やトラックの荷台寸法に合っていないと、荷台スペースを十分に活用できず、輸送回数や輸送コストが増える可能性があります。
積載効率を維持するには、荷物のサイズや重量、車両に適したパレットサイズや積み付け方法を選ぶことが重要です。
フォークリフトなどの荷役機器が必要になる
パレットを活用するには、フォークリフトやハンドリフトなどの荷役機器が必要になる場合があります。
荷物をパレットに載せると重量が増えるため、人の手だけで安全かつ効率的に運搬することは難しくなります。特に、重量物や大量の商品を扱う現場では、フォークリフトによる荷役作業が前提となるケースもあります。
そのため、機器の導入だけでなく、操作できる作業員の確保や、通路幅・作業スペースを考慮した倉庫レイアウトの整備も必要です。
パレットの回収・管理にコストがかかる
パレットを繰り返し利用する場合は、回収や管理にコストがかかります。
輸送後にパレットを回収する場合、回収のための輸送費や人件費が発生します。パレットの保管や在庫管理にも費用がかかるため、使用枚数が増えるほど管理負担も大きくなります。
また、管理体制が整っていないとパレットの紛失や不足が起こり、追加購入やレンタルが必要になる場合もあります。こうした負担を軽減するには、回収ルールを整備したり、レンタルパレットや共同利用を活用したりする方法が有効です。
空パレットの保管スペースを確保する必要がある
パレットを使用する場合は、空のパレットを保管するためのスペースを確保する必要があります。荷物を載せていないパレットであっても、一定の保管場所が必要です。
空パレットが通路や作業場所に置かれたままになると、作業動線を圧迫し、入出荷作業の効率低下につながります。特に、パレットの使用枚数が多い倉庫では、保管場所が不足しやすくなります。
保管スペースが限られている場合は、積み重ねやすいパレットや薄型のパレットを選ぶほか、保管場所をあらかじめ決めておくことが重要です。
まとめ
物流パレットは、効率的な荷物の保管や輸送において重要な役割を果たしています。さまざまな種類や形状、規格が存在するものの、効率化やコスト削減などのために、パレットの標準化が推奨されています。
可能な限り規格に沿ったパレットを選んで、効率化やコスト削減、他企業との連携を深めましょう。
なお、冷凍食品や温度管理が必要な商品を一時的に保管したい場合は、外部の冷凍倉庫サービスを活用する方法もあります。
コールドクロスネットワークでは、1日1パレット単位から冷凍倉庫を利用できるため、繁忙期の在庫増加や一時的な保管スペースの確保にも対応しやすい点が特徴です。冷凍商品の保管場所にお悩みの方は、ぜひ利用を検討してみてください。
編集・監修
コールドクロスネットワーク編集部
物流・倉庫業界の実務知識を発信する編集チームです。サプライチェーン領域の専門家、実務経験者、ライターの皆様に助けられながら、 「物流から世界をもっと便利に変える」を共に目指しています。
高田 直樹
物流事業の実務、経営に精通し、現場視点から本メディアの編集方針を監修。
鈴木 邦成
物流、ロジスティクス工学の専門家として、記事内容の学術的正確性を監修。