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冷凍倉庫と冷蔵倉庫の違いとは?借りるメリットや選び方を解説

冷凍倉庫と冷蔵倉庫は、どちらも食品や医薬品などの温度管理が必要な商品の保管に使用されますが、その用途や適した保管温度には違いがあります。近年、冷凍食品の需要増加や倉庫の老朽化により、冷凍・冷蔵倉庫のニーズが高まっています。

本記事では、冷凍倉庫と冷蔵倉庫の違いを解説し、借りる際のメリットや選び方のポイントを紹介します。適切な倉庫を選ぶことで、品質管理やコストの最適化を目指しましょう。

冷凍倉庫と冷蔵倉庫の違いとは

冷凍倉庫と冷蔵倉庫の違いとは

冷凍倉庫と冷蔵倉庫は、どちらも温度管理が必要な商品の保管に特化した施設ですが、その機能や用途には明確な違いがあります。

冷凍倉庫は、食品や医薬品などを-18℃以下の低温で保管するための施設であり、主に冷凍食品や長期保存が必要な商品に適しています。一方、冷蔵倉庫は10℃以下の温度で保管され、主に生鮮食品や乳製品など、比較的短期間で消費される商品に利用されます。

このように、冷凍倉庫と冷蔵倉庫はそれぞれ異なる温度帯で運用されるため、保管する商品の特性に応じて適切な倉庫を選ぶことが重要です。例えば、冷凍食品を冷蔵倉庫に保管すると、品質が劣化しやすくなり、逆に冷蔵食品を冷凍倉庫に保管すると凍結による損傷が生じる可能性があります。

冷凍倉庫・冷蔵倉庫のニーズが高まっている理由

冷凍倉庫・冷蔵倉庫のニーズが高まっている理由

近年、冷凍倉庫と冷蔵倉庫の需要が急速に高まっています。その背景には、下記のような5つの要因が存在します。

冷凍食品の需要の増加


近年、冷凍食品の需要が急速に増加しています。この背景には、ライフスタイルの変化や食生活の多様化が大きく影響しています。特に、忙しい現代人にとって、手軽に調理できる冷凍食品は非常に便利であり、家庭での食事準備の負担を軽減する役割を果たしています。また、冷凍食品は長期間保存が可能で、食品ロスを減らす手段としても注目されています。

さらに、冷凍食品の品質向上も需要増加の要因の一つです。技術の進歩により、冷凍保存された食品でも新鮮さや風味を保つことができるようになりました。これにより、消費者は冷凍食品を選ぶ際の抵抗感が少なくなり、ますます多くの人々が冷凍食品を利用するようになっています。

自社で大規模な冷凍倉庫の建設が難しい


近年、冷凍食品の需要が高まる中で、自社で大規模な冷凍倉庫を建設することが難しいと感じる企業が増えています。その理由の一つは、初期投資の大きさです。冷凍倉庫の建設には、土地の取得や建物の設計、冷却設備の導入など、多額の費用がかかります。特に都市部では土地の価格が高騰しており、十分なスペースを確保すること自体が難しい状況です。

また、冷凍倉庫の運営には専門的な知識や技術が求められます。温度管理や設備のメンテナンス、さらには法令遵守など、多岐にわたる管理業務が必要です。これらの業務を自社で行うためには、専門の人材を確保する必要があり、これもまたコストの増加につながります。

さらに、冷凍倉庫の需要は季節や市場の動向によって変動するため、常に安定した稼働率を維持することが難しいという課題もあります。

冷凍倉庫に必要な設備が多様化している


冷凍倉庫に求められる設備は、近年の市場の変化に伴い多様化しています。従来の冷凍庫や冷蔵庫に加え、温度管理の精度を高めるための高度な冷却システムや、効率的な在庫管理を実現するためのITシステムが必要とされています。特に、食品業界では、消費者の安全意識の高まりにより、より厳格な温度管理が求められるようになりました。

また、冷凍倉庫では、商品の種類や保管期間に応じて異なる温度帯が必要です。これに対応するため、複数の温度ゾーンを持つ倉庫や、温度をリアルタイムで監視できるセンサーを備えた設備が増えてきています。これによって、冷凍食品や医薬品など特定の条件下での保管が求められる商品でも、安心して保管できる環境が整っています。

さらに、冷凍倉庫の運営においては、エネルギー効率の向上も重要な課題です。省エネ型の冷却機器や、再生可能エネルギーを活用したシステムの導入が進んでおり、これにより運営コストの削減と環境負荷の軽減が期待されています。

倉庫が老朽化している


近年、多くの冷凍倉庫や冷蔵倉庫が老朽化していることが問題視されています。特に、長年使用されてきた倉庫は、設備の劣化やメンテナンス不足により、温度管理の精度が低下することがあります。これにより、保管されている食品や医薬品の品質が損なわれるリスクが高まります。

老朽化した倉庫では、冷却機器の故障や断熱材の劣化が発生しやすく、これが温度の不安定さを引き起こします。特に冷凍食品は、適切な温度で保管されないと品質が劣化し、最終的には廃棄を余儀なくされることもあります。このような状況を避けるためには、最新の設備を備えた冷凍・冷蔵倉庫を借りることが重要です。

また、老朽化した倉庫は、運営コストが高くなる傾向があります。古い設備の維持管理には多くの手間と費用がかかり、結果的に企業の利益を圧迫する要因となります。

都内の倉庫がほぼ満床になっている


近年、東京都内の冷凍倉庫や冷蔵倉庫の需要が急増しており、その結果、ほとんどの倉庫が約100%の在庫量を抱え、満床状態にあると言われています。この背景には、都市部での人口増加や、飲食業界の拡大、さらにはオンラインショッピングの普及が影響しています。特に、冷凍食品や生鮮食品の需要が高まる中で、適切な温度管理が求められるため、冷凍・冷蔵倉庫の確保が急務となっています。

また、都内の土地は限られており、新たに倉庫を建設することが難しい状況です。これにより、既存の倉庫の利用がますます重要視されており、競争が激化しています。さらに、老朽化した倉庫の更新や改修も進んでおらず、質の高い保管スペースを確保することが一層難しくなっています。

冷凍倉庫・冷蔵倉庫を借りるメリット

冷凍倉庫・冷蔵倉庫を借りるメリット

冷凍倉庫や冷蔵倉庫を借りることには、さまざまなメリットがあります。ここでは代表的な利点について3つご紹介しましょう。

食品の品質を保ったまま保管できる


冷凍倉庫と冷蔵倉庫の最大の利点は、食品の品質を保ったまま保管できる点です。特に、温度管理が厳密に求められる食品業界においては、適切な温度での保管が商品の鮮度や安全性に直結します。冷凍倉庫では-18℃以下の温度で食品を保存することができ、長期間の保存が可能です。冷凍食品の風味や栄養素を損なうことなく、消費者に届けることができます。

一方、冷蔵倉庫は10℃以下での温度管理が行われ、肉類や乳製品、野菜などの生鮮食品の保管に適しています。冷蔵倉庫を利用することで、これらの食品の劣化を防ぎ、品質を維持することができます。特に、温度変化が少ない環境で保管することができるため、食品の色や香り、食感を保つことができるのです。

廃棄のリスクを最小限に抑えられる


冷凍倉庫や冷蔵倉庫を利用する大きなメリットの一つは、食品や医薬品の廃棄リスクを最小限に抑えられる点です。適切な温度管理が行われることで商品の劣化を防ぎ、品質を保つことができます。特に、冷凍食品は温度変化に非常に敏感であり、解凍と再冷凍を繰り返すことで品質が著しく低下する可能性があります。冷凍倉庫を利用することで、こうしたリスクを回避し、商品の鮮度を維持することができます。

また、冷蔵倉庫においても同様の効果が期待できます。生鮮食品や乳製品などは、適切な温度で保管されることで、腐敗や変質を防ぎ、消費者に安全な商品を提供することが可能です。廃棄される食品の量を減らすことができるため、企業にとってはコスト削減にもつながります。

管理に従業員のリソースを割かなくて良くなる


冷凍倉庫や冷蔵倉庫を利用する大きなメリットの一つは、商品の管理にかかる従業員のリソースを大幅に削減できる点です。自社で冷凍・冷蔵設備を持つ場合、温度管理や在庫管理、さらにはメンテナンスなど、多くの業務が発生します。これらの業務には専門的な知識や技術が求められ、従業員の負担が増えることになります。

一方、外部の冷凍倉庫や冷蔵倉庫を利用することで、これらの管理業務を専門の業者に委託することが可能です。倉庫業者は、温度管理や在庫管理のプロフェッショナルであり、最新の技術や設備を駆使して商品を適切に保管します。これにより、自社の従業員は本来の業務に集中できるようになり、効率的な運営が実現します。

さらに、外部倉庫を利用することで、急な需要の変動にも柔軟に対応できるようになります。例えば、季節的な需要の増加や突発的なキャンペーンに合わせて、必要なスペースを迅速に確保することが可能です。

冷凍・冷蔵倉庫を選ぶ時に見るべきポイント

冷凍・冷蔵倉庫を選ぶ時に見るべきポイント

冷凍倉庫や冷蔵倉庫を選ぶ際には、下記の6つのポイントを考慮する必要があります。詳しく見ていきましょう。

対応している温度


冷凍倉庫と冷蔵倉庫を選ぶ際に最も重要なポイントの一つが、対応している温度です。冷凍倉庫は、一般的に-18℃以下の温度で食品や医薬品を保管することが求められます。この温度帯は、食品の鮮度を保ち、微生物の活動を抑えるために必要不可欠です。一方、冷蔵倉庫は10℃以下で温度管理が行われ、主に生鮮食品や乳製品など、冷却が必要な商品を保管するために利用されます。

それぞれの倉庫が対応する温度帯は、保管する商品の種類によって異なるため、事前に自社のニーズを明確にすることが重要です。例えば、冷凍食品を扱う企業が冷蔵倉庫を選んでしまうと、商品の劣化や品質低下を招く恐れがあります。逆に、冷蔵品を冷凍倉庫に保管すると、凍結による品質の損失が生じる可能性があります。

対応している温度は倉庫選びの基本的な要素であり、適切な温度管理が行われているかどうかを確認することが、商品の品質を保つためには欠かせません。

倉庫の立地


冷凍倉庫や冷蔵倉庫を選ぶ際に、立地は非常に重要な要素です。倉庫の位置が商品の流通や保管に与える影響は大きく、特に食品や医薬品などの温度管理が必要な商品においては迅速な配送が求められます。立地が良ければ顧客への配送時間を短縮でき、物流コストの削減にもつながります。

また、都市部に近い倉庫は、需要が高まる傾向にあります。特に都内では、冷凍・冷蔵倉庫の需要が増加しており、立地の選定が競争力を左右する要因となっています。さらに、交通インフラの整備状況も考慮する必要があります。主要な道路や港、空港へのアクセスが良好であれば、商品の輸送がスムーズになり、ビジネスの効率化が図れます。

一方で、立地が悪い場合、配送に時間がかかり、顧客満足度の低下や廃棄リスクの増加を招く可能性があります。これらのことから、冷凍倉庫や冷蔵倉庫を選ぶ際には立地条件をしっかりと確認し、自社のニーズに最適な場所を選ぶことが重要です。

緊急時の対応の柔軟性


冷凍倉庫や冷蔵倉庫を選ぶ際には、緊急時の対応の柔軟性も重要なポイントです。特に食品や医薬品など温度管理が厳格に求められる商品を扱う場合、突発的なトラブルや需要の変動などに迅速に対応できる倉庫を選ぶことが求められます。

例えば、冷蔵庫の故障や停電などの緊急事態が発生した場合、迅速に代替の冷却手段を提供できる倉庫業者であれば、商品の品質を保つためのリスクを大幅に軽減できます。また、急な発注や配送の変更に対しても、柔軟に対応できる体制が整っているかどうかが倉庫選びにおいて非常に重要です。

さらに、緊急時の対応力は倉庫業者の実績や評判にも影響されます。過去にどのような対応をしてきたのか、顧客からのフィードバックを確認することで、信頼できる業者を見極める手助けになります。

実績・評判


冷凍倉庫や冷蔵倉庫を選ぶ際には、その業者の実績や評判を確認することが非常に重要です。特に品質が直接的に影響を受ける商品を扱う場合、信頼できる倉庫業者を選ぶことが求められます。実績が豊富な業者は、過去の取引先や保管実績を示すことで安心感を提供します。

また、評判は他の利用者の口コミや評価を通じて知ることができます。インターネット上のレビューサイトやSNSでの情報収集は、実際に利用した人の生の声を聞く良い手段です。特に、温度管理の精度や倉庫の清潔さ、スタッフの対応など、具体的なポイントについての評価は選択の参考になります。

サポート体制の充実度


冷凍倉庫や冷蔵倉庫を選ぶ際には、サポート体制の充実度も重要なポイントです。倉庫運営会社が提供するサポート内容は多岐にわたります。定期的な設備点検やメンテナンスの実施、トラブル発生時の連絡体制、さらには温度管理のデータをリアルタイムで確認できるシステムの導入など、充実したサポート体制が整っているかを確認することが大切です。これによって安心して倉庫を利用できるだけでなく、万が一の際にも迅速に対応してもらえるため、ビジネスの安定性が向上します。

さらに、サポート体制の充実度は、倉庫の選定において他の業者との差別化要因にもなります。信頼できるサポートがあることで長期的な取引関係を築くことができ、結果としてコスト削減や業務効率の向上にもつながるでしょう。

2030年のフロン規制に対応しているか


冷凍倉庫や冷蔵倉庫を選ぶ際に、2030年のフロン規制への対応は非常に重要なポイントです。モントリオール議定書のキガリ改正(2016年)によって、代替フロン(HFC)の生産・消費量が段階的に削減され、2030年までに基準値から70%の削減が求められているためです。 

日本国内では、オゾン層保護法とフロン排出抑制法に基づき、フロン類の製造・輸入から使用・廃棄に至るまで包括的な対策が講じられています。特に、業務用冷凍空調機器におけるフロン類の管理適正化や廃棄時の回収義務などが定められています。 


倉庫を借りる際には、フロン規制に適合した設備を持つ倉庫を選ぶことが、将来的なリスクを回避するために不可欠です。規制に対応していない倉庫を利用すると、法的な問題が発生する可能性があるだけでなく環境への影響も懸念されます。さらに、規制に適合した倉庫はエネルギー効率が高く、運営コストの削減にもつながるため、経済的なメリットも享受できます。

出典:環境省「令和4年度 改正フロン排出抑制法に関する説明会|フロンを取り巻く動向(共通)

参考:【迅速・確実・簡単】高品質物流を実現するIHIの冷凍自動倉庫 |  物流システムのIHI物流産業システム

まとめ

冷凍倉庫と冷蔵倉庫は、それぞれ異なる温度管理が求められる商品に特化した保管施設です。これらの倉庫を適切に選ぶことで、商品の品質を維持し、廃棄リスクを減少させることが可能です。

近年、冷凍食品の需要が増加していることや、自社での大規模な冷凍倉庫の建設が難しい状況が続いているため、外部の冷凍・冷蔵倉庫を利用する企業が増えています。また、老朽化した倉庫の問題や都内の倉庫の満床状態も、外部倉庫のニーズを高める要因となっています。

倉庫を選ぶ際には、対応温度や立地、緊急時の対応力に加え、実績や評判、サポート体制の充実度、さらには2030年のフロン規制への対応状況など、多角的に検討することが重要です。これらのポイントを踏まえた上で最適な倉庫を選ぶことが、ビジネスの効率化やコスト削減につながるでしょう。

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