冷凍倉庫は、食品や医薬品などの温度管理が必要な商品を安全に保管するための重要な施設です。適切な温度を維持するためには、エアコンや冷凍機、湿気対策設備など、専門的な設備が求められます。
本記事では、冷凍倉庫に必要な設備や、内製化する際の注意点、さらに外部委託のメリットを解説し、おすすめの冷凍倉庫会社もご紹介します。
冷凍倉庫に必要な設備とは

冷凍倉庫を運営する上では、適切な設備を整えることが重要です。まずは必要な設備について見ていきましょう。
エアコン
冷凍倉庫では24時間一定の温度を保つために、エアコンは必須設備となり、特に、省エネ性能なども含めて機能的な業務用エアコンの選定が必要になります。
また、庫内のレイアウトに応じた設置位置や送風方向の適切な設定により庫内を効率的に冷やすことで、エアコンの台数を減らしコストを抑えることも可能です。
冷凍機
冷凍機も冷凍倉庫に欠かせない重要な設備です。庫内にあるものを冷やして凍らせる役割があるため、用途や倉庫の規模に応じて適切なものを選ぶことが重要です。例えば、冷凍庫専用の冷凍機や、冷却能力が高い大型の冷凍機などがあります。また、エネルギー効率の良い機種を選ぶことで、運用コストを抑えることも可能です。
ドックシェルター
ドックシェルターは、トラックやコンテナが倉庫に荷物を出し入れする際に、外気との接触を最小限に抑えるための設備です。
通常、ドックシェルターは柔軟な素材で作られており、トラックの荷台に密着することで、冷気の漏れを防ぎます。また、外部の温度や湿度の影響を受けにくくするため、冷凍倉庫内の環境を保つためにも欠かせない設備です。特に、食品や医薬品などの温度管理が厳格に求められる商品を扱う場合、ドックシェルターの導入は不可欠です。
倉庫の温度に耐えられる什器
冷凍倉庫では、保管する商品の品質を維持するだけでなく、それを支える什器の選定も重要です。冷凍環境下で使用される什器は、低温に耐えられる必要があり、冷凍倉庫対応の無人フォークリフト(AGF)や-40℃の過酷な作業環境でも稼働可能な冷凍倉庫専用の電動式移動パレットラックなどがその例に挙げられます。
冷凍倉庫を内製化する時の注意点

冷凍倉庫を内製化する際には、いくつかの重要な注意点があります。ここでは正しく理解しておきたいポイントを6つに絞ってご紹介していきます。
温度管理が可能な組織と設備を整える
冷凍倉庫を内製化する際には、温度管理を徹底できる組織と設備の構築が不可欠です。冷凍倉庫では、わずかな温度変動が食品や医薬品の品質に深刻な影響を及ぼす可能性があります。そのため温度管理のための設備を充実させることが重要です。
冷凍機やエアコンはもちろんのこと、温度センサーや監視システムを導入し、リアルタイムで温度をモニタリングできる体制を整えましょう。異常が発生した際に即座に対応できる仕組みを整えることで、商品の品質を確保し、安定した運用が可能になります。
参考:センサーで業務改善|防犯だけじゃない!現場の“困った”を解決! | 防犯・防災システム専門企業【セキュリティハウス】
倉庫内の霜・湿気対策を十分に行う
冷凍倉庫において、霜や湿気の管理は非常に重要です。これらの要因は、保管されている商品に直接的な影響を及ぼすだけでなく、倉庫の設備にも悪影響を与える可能性があります。霜が発生すると、冷凍機の効率が低下し、エネルギー消費が増加するため、運営コストが上昇します。また、湿気が多い環境では、商品の品質が劣化するリスクが高まります。
前提としては、建築時点で霜や湿気の蓄積を防ぐ設計として倉庫の床、壁、天井には適切な断熱材を使用する必要があります。素材の断熱性により外気からの影響を抑え、室内温度を一定に保つ効果があり、霜や湿気の発生を抑制できます。
倉庫内における霜や湿気対策としては、まず冷凍倉庫内の温度を適切に管理することが基本です。温度が安定していることで、霜の発生を抑えることができます。さらに、定期的なメンテナンスを行い、冷凍機やエアコンの性能を維持することも重要です。
また、湿気対策には除湿機の導入が効果的です。特に、湿度が高い季節や地域では、除湿機を使用することで、倉庫内の湿度を適切なレベルに保つことができます。さらに、倉庫内の通気性を良くするために、適切な配置で什器を設置することも考慮すべきです。
防犯・防災対策を怠らない
冷凍倉庫を内製化する際には、防犯や防災対策を十分に施す必要があります。冷凍倉庫は貴重な商品を保管する場所であるため、盗難や不正アクセスのリスクが常に存在します。これを防ぐためには、監視カメラやセキュリティシステムの導入が効果的です。特に、出入口や重要なエリアには高性能なカメラを設置し、24時間体制で監視することが望ましいでしょう。
また、防災対策も重要です。冷凍倉庫に限らず倉庫業を営むにあたっては、倉庫業法等に基づく登録を受ける必要があるため、消防法施行令第10条で定められた消火器の設置義務や、消防法施行規則第二十三条にあるような自動火災報知設備の感知器の設置などに対応することが求められます。
さらに、防火管理者を選任し届け出ることも消防法で定められています。定期的な防災訓練を実施し、従業員が緊急時に適切に行動できるように教育することも大切です。これにより、万が一の事態に対する備えが強化され、冷凍倉庫の安全性が向上します。
参考:国土交通省「物流|所管法令|倉庫業法」
参考:一般社団法人日本消火器工業会「消火器の設置義務」
参考:e-Gov法令検索「消防法施行規則」
外部の冷凍倉庫に委託することも検討する
冷凍倉庫の内製化には多くのメリットがありますが、同時に多くのリスクやコストも伴います。そのため、外部の冷凍倉庫に委託することを検討するのは、非常に賢明な選択肢となります。外部委託を行うことで、専門的な設備や技術を持つ業者に任せることができ、温度管理や保管の効率性を高めることが可能です。
外部の冷凍倉庫は、最新の冷却技術や温度管理システムを導入していることが多く、これにより商品の品質を保ちながら、トラブルを最小限に抑えることができます。また、外部委託を利用することで、自社のリソースを他の重要な業務に集中させることができ、全体的な業務効率を向上させることが期待できます。
冷凍倉庫の老朽化と建て替えの課題がある
冷凍倉庫は、長期間にわたって使用されることが多いため、老朽化が避けられない問題となります。特に、冷凍機やエアコンなどの冷却設備は使用頻度が高いほど劣化が進み、性能が低下することがあります。
また、老朽化した冷凍倉庫の建て替えは、単なる設備の更新にとどまらず、コストや時間、さらには業務の継続性に関する課題も伴います。
建て替えを行う際には、既存の倉庫を稼働させながら新しい施設を構築する必要があり、これには慎重な計画が求められます。
フロン規制による冷媒設備の変更が推奨されている
近年、環境問題への関心が高まる中で、フロンガスの使用に関する規制が強化されています。例えば、1987年に採択されたモントリオール議定書においては、冷蔵倉庫の多くで用いられている特定フロン(CFCやHCFC)を2030年までに全廃することが盛り込まれています。
そのため、冷蔵倉庫業者は自然冷媒や代替フロンなどに変更する必要があります。既存倉庫が自然冷媒などに切り替えることは容易ではなく、多額のコストが掛かります。
フロン対応と前述の施設老朽化という2つの課題により、2030年には冷凍・冷蔵倉庫の供給が不足する「冷凍・冷蔵業界の2030年問題」発生のリスクがあるため、外部委託の際には数年先を見据えてこれらの設備に問題がないか、事前の確認が重要になります。
出典:環境省「モントリオール議定書」
参考:環境省「オゾン層保護法の概要」
参考:経済産業省「フロン排出抑制法の概要」
冷凍倉庫を外部委託するメリット

冷凍倉庫を外部に委託することには、さまざまなメリットがあります。ここでは代表的な利点を4つご紹介します。
コスト削減につながる
冷凍倉庫を外部に委託することは、企業にとって大きなコスト削減につながる可能性があります。まず、冷凍倉庫を自社で運営する場合、初期投資として冷凍機やエアコン、ドックシェルターなどの設備を整える必要があります。
これらの設備は高額であり、さらに維持管理やメンテナンスにもコストがかかります。一方、外部の冷凍倉庫を利用することで、これらの初期投資を抑えることができ、運営コストを大幅に削減することが可能です。
物流作業の効率化につながる
冷凍倉庫を外部に委託することは、物流作業の効率化に大きく寄与します。まず、専門の冷凍倉庫業者は最新の技術や設備を導入しているため、商品の保管や出荷において高い精度を保つことができます。これにより温度管理や在庫管理が徹底され、商品の品質を維持しながら迅速な対応が可能になります。
最新のシステムが導入されているためエラーが起きにくい
冷凍倉庫を外部に委託する大きなメリットの一つは、最新のシステムが導入されている点です。これにより、温度管理や在庫管理が自動化され、人的ミスが大幅に減少します。
例えば、温度センサーや監視カメラが設置されていることで、リアルタイムで温度の変化を監視し、異常が発生した際には即座にアラートが発信される仕組みが整っています。このようなシステムは、食品や医薬品の品質を保つために非常に重要です。
参考:【用語解説】今さら聞けない!SPD(Supply Processing and Distribution)とは?|コトセラ|医療機関向けサービスの比較・検索サイト
本業へ集中できる
冷凍倉庫を外部に委託することの大きなメリットの一つは、自社の本業に集中できる点です。冷凍倉庫の運営には、温度管理や在庫管理、物流の最適化など、多くの専門的な知識とリソースが求められます。これらの業務を自社で行う場合、人的リソースや時間を大きく消費し、本業に割くべきリソースが減少してしまう可能性があります。
外部の冷凍倉庫に委託することで、これらの業務を専門の業者に任せることができ、自社のスタッフは本業に専念することが可能になります。例えば、製品の開発やマーケティング、顧客対応など、企業の成長に直結する重要な業務にリソースを集中させることができるのです。
おすすめの冷凍倉庫会社9選

冷凍倉庫の選定は、商品の品質を保つために非常に重要です。ここでは、信頼性が高く、最新の設備を備えたおすすめの冷凍倉庫会社を9社ご紹介します。
※「本記事の内容は、当社が独自に調査・作成したものであり、事実と異なる場合があります。具体的なサービス内容や最新の情報につきましては、必ず各社の公式ウェブサイトにてご確認ください。」
X NETWORK株式会社
X NETWORK株式会社は、冷凍・冷蔵倉庫の運営だけでなく、食品物流に特化したWMS(倉庫管理システム)などの開発・提供を行う企業です。
独自のクラウド型物流システムを活用し、リアルタイムでの在庫管理や温度管理を実現。これにより、商品の品質を最適な状態で保管したり配送したりすることが可能です。
また、最新のIoT技術を導入した物流DX(デジタルトランスフォーメーション)ソリューションを提供し、企業の物流業務を効率化・自動化。冷凍・冷蔵倉庫の運営においても、データ分析を活用した最適な管理体制を実現し、コスト削減と品質向上を両立しています。食品物流における温度管理の高度化を目指す企業にとって、強力なパートナーとなるでしょう。
霞ヶ関キャピタル株式会社
霞ヶ関キャピタル株式会社は、主に不動産開発・コンサルティングを行う企業ですが、物流事業において冷凍冷蔵倉庫の開発を行っています。最新の設備と温度管理システムを備えた施設を提供しており、温度管理が必要な商品の保管・流通を安全かつ効率的に行うことが可能です。
同社の冷凍冷蔵倉庫は、厳格な温度管理が求められる商品に対して、最適な環境を提供するための設計がされています。これにより、商品の鮮度を保ちながら流通の効率化を図ることができます。また、環境負荷の低減にも取り組んでおり、持続可能な物流ソリューションを提供することを目指しています。
さらに、霞ヶ関キャピタル株式会社は、顧客のニーズに応じた柔軟なサービスを展開しており、ビジネスの成長を支援するパートナーとしての役割を果たしています。
霞ヶ関キャピタル株式会社 公式サイト
株式会社富士ロジテックホールディングス
株式会社富士ロジテックホールディングスは、総合物流サービスを提供する企業であり、特に冷凍・冷蔵倉庫の運営において強みを持っています。北関東から九州まで拠点を構え、広範な物流ネットワークを活かした効率的なサービスを展開しています。また、最新の温度管理システムを導入しており、食品の鮮度保持や品質管理を徹底しています。
この企業は、顧客の多様なニーズに応えるため、在庫管理や配送まで一貫したサービスを提供しています。
また、同社は環境への配慮も忘れず持続可能な物流ソリューションの提供に努めています。これにより、冷凍倉庫の運営においても効率性と環境負荷の低減を両立させることを目指しています。
株式会社キューソー流通システム
株式会社キューソー流通システムは、食品物流を中心に展開する企業であり、冷凍・冷蔵倉庫の運営において豊富な実績を誇ります。全国に広がる物流ネットワークと温度管理で、食品の安全・安心な配送を実現しています。
ITを活用した在庫管理システムやトレーサビリティの確保に力を入れており、顧客の多様なニーズに応える柔軟なサービス提供が可能です。
同社の冷凍倉庫は最新の冷却技術を導入しており、温度管理が厳格に行われています。これにより、食品の鮮度を保ちながら効率的な物流を実現しています。また、冷凍・冷蔵倉庫の運営においては、業界の規制や基準を遵守し、安全性を最優先に考えた運営が行われています。
さらに、キューソー流通システムは環境への配慮も忘れず、持続可能な物流ソリューションを追求しています。これにより、顧客に対して高品質なサービスを提供しつつ、社会的責任を果たすことを目指しています。
株式会社ホウスイ
株式会社ホウスイは、全国各地に冷凍・冷蔵倉庫を展開しています。特に最新の冷却技術と徹底した温度管理システムを導入しており、食品の品質保持に力を入れています。
さらに、ホウスイは輸出入貨物の取り扱いや通関業務にも対応しており、国際物流においても強みを持っています。これにより国内外の顧客に対して幅広いサービスを提供し、信頼性の高い物流パートナーとしての地位を確立しています。
また、環境負荷の低減を目指した取り組みも積極的に行っており、持続可能な物流サービスの提供に努めています。これにより、企業の社会的責任を果たしつつ、顧客のニーズに応える柔軟なサービスを展開しています。
株式会社クールテックサガワ
株式会社クールテックサガワは、冷凍・冷蔵物流に特化した企業であり、最新の冷却技術と高度な温度管理システムを備えた倉庫を運営しています。特に、食品など温度管理が重要な商品の保管・配送において高い信頼性を誇ります。高速道路のICそばという立地、独自のネットワークを生かし、迅速かつ効率的な配送サービスを提供しています。
また、持続可能な物流ソリューションを追求し、顧客のニーズに応えるだけでなく社会全体への貢献も目指しています。
クールテックサガワは、冷凍倉庫の運営において、業界内での競争力を維持しつつ、顧客満足度の向上に努めています。
株式会社関通
株式会社関通は、物流業務全般を手掛ける企業であり、特に冷凍・冷蔵倉庫の運営に力を入れています。最新の温度管理システムを導入し、食品の鮮度保持や品質管理を徹底しています。
また、関通は在庫管理や受注処理、配送手配まで一貫したサービスを提供しており、顧客の多様なニーズに柔軟に対応しています。ITを活用した効率的な物流システムを構築しており、業務の効率化とコスト削減を実現しています。これにより、顧客は安心して物流業務を委託できる環境が整っています。
さらに、関通は全国に広がる物流ネットワークを活かし、迅速かつ効率的な配送サービスを提供しています。冷凍・冷蔵倉庫の運営においても、最新の冷却技術を駆使し、食品などなど温度管理が求められる商品の保管・配送において高い信頼性を誇ります。
クラレイ株式会社
クラレイ株式会社は、冷凍・冷蔵物流に特化した企業であり、最新の冷却技術と徹底された温度管理により倉庫を運営しています。食品や工業製品など、温度管理が重要な商品の保管・配送において高い信頼性を誇り、顧客のニーズに応じた柔軟なサービスを提供しています。
同社は福岡市と北九州市に拠点を置き、迅速かつ効率的な配送サービスを実現しています。これにより、顧客は安心して商品を預けることができ、必要な時に迅速に商品を受け取ることが可能です。
また、クラレイ株式会社は環境に配慮した取り組みも行っており、持続可能な物流ソリューションを追求しています。これにより、環境負荷の低減を図りながら、顧客に高品質なサービスを提供することを目指しています。
クラレイ株式会社 公式サイト
株式会社二葉
株式会社二葉は、総合物流サービスを提供する企業であり、特に冷凍・冷蔵倉庫の運営において強みを持っています。関東から九州まで拠点を構え、広範な物流ネットワークを活かした効率的なサービスを展開しています。最新の温度管理システムを導入しており、食品の鮮度保持や品質管理を徹底して行っています。
二葉の冷凍倉庫は、温度管理が求められる商品に対して高い信頼性を誇ります。特に、食品の温度管理が重要な商品を安全に保管するための設備が整っており、顧客の多様なニーズに応える柔軟なサービスを提供しています。また、在庫管理や配送まで一貫したサービスを行うことで、顧客の業務効率を向上させることにも寄与しています。
さらに、株式会社二葉は環境への配慮も忘れず、持続可能な物流ソリューションの提供に努めています。これにより、顧客だけでなく、社会全体に対しても貢献する企業としての姿勢を示しています。
まとめ
本記事では、冷凍倉庫に必要な設備や内製化を検討する際の注意点、おすすめの冷凍倉庫会社についてご紹介してきました。
冷凍倉庫を外部委託するとコスト削減や物流作業の効率化、最新システムの導入によるエラーの軽減、自社リソースの不足解消などの多大なメリットを享受できます。ぜひこの記事を参考に、自社に最適な倉庫運営を進めてください。
参考:法定換気量とは?建築基準法と必要換気量との違いや計算方法について解説 – 業務用エアコンの取付工事と空間デザインは【ReAir-リエア-】
