物流倉庫の新設や設備投資、業務の効率化を進めるうえで、補助金の活用はコストを大きく抑える手段です。2025年も国や自治体による多様な支援制度が用意されており、うまく活用すれば省力化やDX推進にもつながります。
この記事では、物流倉庫で活用できる補助金の対象者や要件、補助額などを紹介します。
物流倉庫で使える補助金一覧

物流倉庫の運営や新設において、補助金の活用は非常に重要な要素です。国や自治体から提供される多様な補助金が用意されており、これらをうまく活用することで、コスト削減や業務の効率化を図ることが可能です。
ここでは、物流倉庫で利用できる補助金を紹介します。
IT導入補助金
IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者がITツールを導入する際に、その費用の一部を国が補助する制度です。物流倉庫業においては、在庫管理や出荷管理、入出庫の記録など、日々の業務にITを活用することで、作業の効率化と人手不足の解消が期待できます。
特に、WMS(倉庫管理システム)や配送管理システムなどを導入する企業にとって、有効な支援となるでしょう。業務のデジタル化を通じて、コスト削減やサービス品質の向上を目指す事業者にとっては、見逃せない制度です。
参考:IT導入補助金2025
■ 対象者
IT導入補助金の対象となるのは、物流業を含む中小企業や小規模事業者です。具体的には、資本金や従業員数が一定以下の法人および個人事業主が該当します。
例えば、運輸業においては「資本金3億円以下または従業員300人以下」の企業が対象とされています。倉庫業務を行う事業者で、一定の条件を満たしていれば申請可能です。
なお、過去に同補助金を活用したことがある企業でも、別の目的やITツールであれば再申請が認められる場合があります。
■ 要件
補助金の申請には、事業者自身が業務の効率化や生産性向上を目的としてITツールを導入することが求められます。導入するツールは、経済産業省に登録された「IT導入支援事業者」が提供するものでなければなりません。
例えば、バーコード読み取り機能付きのWMSや、クラウド型の受発注管理システムなどが対象となるケースがあります。また、導入にあたっては、事業計画書や見積書などの書類を提出し、導入目的や効果を明確にする必要があります。申請期間内に正確な書類を整えることが採択のポイントです。
■ 補助額・補助率
2025年度のIT導入補助金では、通常枠において最大450万円の補助が受けられます。補助率は1/2が基本ですが、条件を満たせば最大2/3まで補助されるケースもあります。
補助対象となる費用は、ITツールの導入費用だけでなく、関連するソフトウェアや初期設定費、導入に必要な研修費用なども含まれます。
物流倉庫においては、WMSやTMSの導入・更新、さらには在庫のリアルタイム可視化に役立つシステムなどが該当します。導入コストを抑えつつ業務改善を図るためにも、有効に活用したい制度です。
中小企業省力化投資補助金
中小企業省力化投資補助金は、中小企業や小規模事業者が省力化や自動化を目的とした設備投資を行う際に、費用の一部を補助する制度です。
特に人手不足や生産性向上の課題を抱える物流倉庫業においては、業務の効率化や省人化を進めるための有効な支援策となります。この補助金を活用することで、最新の機器やシステムを導入し、業務の自動化や省力化を図ることが可能です。
参考:中小企業省力化補助金
■ 対象者
本補助金の対象者は、中小企業基本法に基づく中小企業や小規模事業者です。
具体的には、下記のような幅広い業種が含まれます。
- ・製造業
- ・卸売業
- ・小売業
- ・サービス業 など
物流倉庫業を営む企業も対象となり、資本金や従業員数の要件を満たす必要があります。申請にあたっては、事業計画書の提出が求められ、省力化や自動化の具体的な取り組み内容を明確に示すことが重要です。
■ 要件
補助金の申請には、下記の要件を満たす必要があります。
- ・中小企業基本法に基づく中小企業または小規模事業者であること
- ・省力化や自動化を目的とした新規設備の導入であること※既存設備の更新や修理は対象外
- ・導入する設備が、業務の効率化や生産性向上に寄与するものであること
- ・事業計画書を提出し、導入効果や実現可能性を明示すること
■ 補助額・補助率
補助額や補助率は、導入する設備や事業規模によって異なります。一般的には、補助率は対象経費の1/2以内で、補助上限額は最大1,000万円とされています。
具体的な金額や割合については、年度ごとに変更される可能性があるため、最新の情報を確認することが重要です。
物流施設におけるDX推進実証事業
物流施設におけるDX推進実証事業は、国土交通省が実施する補助事業です。この制度は、物流施設を保有または使用する事業者が、トラックドライバーの荷待ち時間や荷役作業の削減、省人化を図るために、下記を同時に行う場合に、その経費の一部を支援するものです。
- ・システムの構築・連携
- ・自動化・機械化機器の導入
専門家による伴走支援や効果検証等を通じて、物流施設におけるDXの強力な推進を図ることを目的としています。
参考:国土交通省「物流効率化等推進事業費補助金 中小物流事業者の労働生産性向上事業(物流施設 における DX 推進実証事業)交付要綱」
なお、補助対象の例は下記の通りです。
| システムの構築・連携 | 自動化・機械化機器の導入 | |
| 例 | ・WMS ・在庫管理システム・ナンバープレート解析 AIカメラ・システム・伝票電子化システム | ・無人搬送機器・無人フォークリフト・無人荷役機器・自動倉庫 |
参考:国土交通省「物流施設におけるDX推進実証事業 事業説明資料 補助対象事業概要」
■ 対象者
本事業の補助対象者は、下記のいずれかに該当する物流関係事業者です。
- ・倉庫業法第3条の登録を受けた倉庫事業者
- ・貨物利用運送事業法に基づく第一種または第二種貨物利用運送事業者
- ・自動車ターミナル法に基づくトラックターミナル事業者
- ・貨物自動車運送事業法に基づく一般貨物自動車運送事業者、特定貨物自動車運送事業者、または貨物軽自動車運送事業者
- ・物流不動産開発事業者
- ・上記の事業者と共同で事業を実施する事業者
参考:国土交通省「物流施設におけるDX推進実証事業【公募要領】」
なお、システムベンダー等の事業者が単独で本事業の申請を行うことはできません。
■ 要件
補助金の申請には、以下の要件を満たす必要があります。
- ・物流施設において、システムの構築・連携と自動化・機械化機器の導入を同時に行うこと
- ・トラックドライバーの荷待ち時間や荷役作業の削減、施設の省人化を目的とした取り組みであること
- ・専門家による伴走支援や効果検証等を受け入れること
- ・補助対象期間内に事業を実施し、必要な報告書等を提出すること
■ 補助額・補助率
補助率は、補助対象経費の1/2以内とされています。補助額は下記の通りです。
- ・システム構築・連携……上限2,500万円
- ・DX機器導入……上限1億1,500万円
具体的な補助額や補助対象経費の詳細については、交付要綱や実施要領等をご確認ください。
物流効率化に向けた先進的な実証事業(荷主企業における物流効率化に向けた先進的な実証事業)
本事業は、物流業界が直面している「2024年問題」や構造的な輸送力不足といった課題に対応するため、荷主企業が物流施設の自動化・機械化に資する機器やシステムを導入し、物流効率化を図る取り組みに対して支援を行うものです。
具体的には、下記のような機器やシステムが対象です。
【機器導入例】
| 入出荷関連 | 保管関連 | 運搬関連 | 仕分け関連 | |
| 例 | ・トラックローダー・フォークリフト・パレタイザー/デパレタイザー | ・パレット等の物流資材・洗浄等付属設備・自動倉庫・保管ラック | ・コンベア・垂直搬送機・AMR・AGV | ・自動仕分け機・無人仕分け機・ピッキングシステム/ロボット |
【システム導入事例】
- ・バース予約システム
- ・WMS
- ・伝票電子化・物流EDI
- ・AIカメラ・システム
- ・RFID等自動検品システム
これらの取り組みを通じて、物流業務の効率化や省力化を実現し、持続可能な物流体制の構築を目指します。
参考:経済産業省「持続可能な物流を支える物流効率化実証事業」
■ 対象者
本事業の補助対象者は、下記の条件を満たす荷主企業です。
- ・中小企業または中堅企業であること
- ・貨物自動車運送事業者との間で運送契約を締結し、貨物の運送を委託していること
- ・倉庫業を専業で行う者や貨物自動車運送事業を専業で行う者は対象外
また、複数の企業が連携してコンソーシアムを構成し、共同で申請することも可能です。
■ 要件
補助金の申請にあたっては、下記の要件を満たす必要があります。
1.物流効率化計画の策定
下記の要件を満たす物流効率化計画を策定・提出することが必要です。
- ・利用する物流事業者側の業務効率化
荷待ち・荷役時間の削減、積載率の向上等 - ・物流施設側における業務効率化
従業員の総労働時間を3%以上削減すること等
2.定量的な目標設定と効果測定
物流コストの削減や配送時間の短縮、在庫管理の効率化など、具体的な数値目標を設定し、その達成度を評価できる体制を整える必要があります。
3.他の企業や研究機関との連携
共同での取り組みを通じて、より広範な知見や技術を活用することが推奨されます。
■ 補助額・補助率
補助額・補助率の詳細は、下記の通りです。
【中小企業等】
- ・補助率:補助対象経費の2/3以内
- ・補助上限額:1億円
- ・投資下限要件:300万円以上
【中堅企業等】
- ・補助率:補助対象経費の1/2以内
- ・補助上限額:5億円
- ・投資下限要件:5,000万円以上
補助対象経費には、機械装置・システム費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、その他諸経費が含まれます。
参考:経済産業省「荷主企業における物流効率化に向けた先進的な実証事業」の事業概要
【国】物流倉庫の新設に使える補助金一覧

物流倉庫の新設に際しては、国からの補助金を活用することで、初期投資の負担を軽減することが可能です。さまざまな補助金制度が用意されているため、中小企業や新規事業者にとっては大きな助けとなるでしょう。
ここでは、物流倉庫の新設に使える補助金について紹介します。
大規模成長投資補助金
大規模成長投資補助金は、地域の雇用を支える中堅・中小企業を対象とした支援制度です。
人手不足などの課題に対応し、成長を目指して行う大規模な投資を後押しすることで、地方における持続的な賃上げの実現を目的としています。
この補助金を活用することで、企業は最新の設備を導入し、省力化や業務の効率化を進めることが可能です。
具体的には、下記のような経費が含まれます。
- ・建物費(拠点新設・増築等)
- ・機械装置費(器具・備品費含む)
- ・ソフトウェア費
- ・外注費
- ・専門家経費
■ 対象者
補助対象者は、常時使用する従業員数が2,000人以下の中堅・中小企業(単体ベース)です。
また、一定の要件を満たす場合、中堅・中小企業の共同申請も対象となります(コンソーシアム形式 最大10社)。
■ 要件
補助金を受けるためには、下記の要件を満たす必要があります。
- ・投資額10億円以上(専門家経費・外注費を除く補助対象経費分)
- ・賃上げ要件……補助事業の終了後3年間の対象事業に関わる従業員等1人当たり給与支給総額の年平均上昇率が、全国の過去3年間の最低賃金の年平均上昇率(4.5%)以上であること
出典:経済産業省「補助金概要」
賃上げ目標を達成できなかった場合、未達成率に応じて補助金の返還を求められることがあることに留意してください。
■ 補助額・補助率
補助額・補助率については、下記の通りです。
- ・補助上限額……50億円
- ・補助率……1/3以内
食品産業の輸出向けHACCP等対応施設整備事業
この制度は、食品製造・加工などを行う事業者が、輸出先国の食品安全基準(HACCP等)に対応できるよう、必要な施設整備や機器導入にかかる費用を支援する補助金制度です。輸出拡大を図るうえでのインフラ整備を後押しし、国際市場への対応力を高めることを目的としています。
補助対象には、HACCPに基づく衛生管理体制の構築に必要な建物の改修や新設、衛生機器の導入のほか、輸出先国の規制(例:検疫・添加物基準)に適合する製品を製造するための整備も含まれます。また、HACCP認証取得のために必要な費用の一部も補助対象です。
具体的な補助対象経費は、下記の通りです。
- ・施設等整備事業:認証取得に必要な施設・設備・機器の整備費用(新設・掛かり増し・改修)
- ・効果促進事業:コンサルティング・研修費など(整備費の20%以内)
■ 対象者
補助対象となるのは、下記の事業者です。
- ・食品の輸出を実施または計画している食品製造事業者・加工業者
- ・食品流通事業者、中間加工事業者(例:カット野菜、調理済み食材など)
- ・地方公共団体または都道府県知事が認める関係団体や事業者
■ 要件
申請にあたっては、以下の要件を満たす必要があります。
【計画書の提出】
- ・「事業実施計画」:施設整備や輸出目標を明記
- ・「輸出事業計画」:輸出のための加工・製造体制などを明記(交付決定までに大臣認定が必要)
【HACCP対応】
- ・HACCPチームの編成や従業員教育を含む衛生管理体制の整備
- ・衛生管理のための施設設計や設備導入(例:排水溝・壁・床の改修、冷蔵庫や異物混入防止機器の導入)
【審査と認証取得】
補助事業終了後、HACCP等の認定・認証の取得が必要
■ 補助額・補助率
補助額と補助率は下記の通りです。
- ・補助額……250万円〜5億円
- ・補助率……対象経費の1/2
【自治体】物流倉庫の新設に使える補助金一覧

物流倉庫の新設に際しては、国の補助金だけでなく、各自治体が提供する支援制度も重要な選択肢です。自治体による補助金は、地域の経済活性化や雇用創出を目的としており、中小企業や新規事業者にとっては大きな助けとなるでしょう。
ここでは、各自治体が提供する物流倉庫の新設に使える補助金を紹介します。
北海道|企業立地促進補助金
北海道では、企業の新規立地や拠点拡張を後押しするため「企業立地促進補助金」を設けています。地域経済の活性化や雇用の創出を目的としたこの制度は、製造業や物流業などを中心に、北海道内で新たな設備投資を行う企業に対して、一定の補助を行うものです。
物流倉庫や配送センターの整備を予定している企業にとっては、初期投資の負担を軽減し、北海道での安定した事業展開を図るための強力な支援策となります。
■ 対象者
補助金の対象となるのは、北海道内に新たに事業所を設置、または既存施設を拡張する企業です。対象業種は以下の通りです。
- ・製造業・高度加工業(例:食品製造、機械、電子部品等)
- ・高度物流関連事業(大型倉庫、冷蔵倉庫、ロボティクス活用など)
- ・データセンター事業
- ・本社機能移転(研究開発、企画、管理拠点等)等
対象となるには、業種ごとに定められた最低投資額と雇用人数などの要件を満たす必要があります。
■ 要件
補助金を受けるには、以下の主な条件をクリアする必要があります。
- ・工事着手の90日前から着手日までに立地計画の認定申請を行い、認定を受けていること
- ・投資額・雇用者数が業種ごとに定められた基準を上回っていること
- ・操業後10年間、継続して事業を実施すること(操業義務)
高度物流関連事業者の投資額と雇用者数は、下記の通りです。
- ・新設……20億円以上
- ・雇用増……20人以上
■ 補助額・補助率
高度物流関連事業者の補助額は下記の通りです。
- ・新設……投資額の10%(上限 10億円)
- ・増設……投資額の5%(上限 3億万円)
青森県|産業立地促進費補助金
青森県では、県内産業の振興と地域活力の向上を図るため、「産業立地促進費補助金」制度を設けています。この補助金は、県内に新たな事業所を構える、または既存施設を増設・拡張する企業を対象に、設備投資などにかかる費用の一部を支援するものです。
特に、地域での雇用機会を拡大し、経済の底上げにつながる事業計画に対して重点的な支援が行われます。企業にとっては、青森県内でのスムーズな事業展開を実現するための強力な後押しとなります。
補助金の対象となる主な経費は、下記の通りです。
- ・建物の建設費・改修費
- ・設備機器の導入費用
- ・土地取得費(一定の条件を満たす場合)
■ 対象者
補助の対象となるのは、下記の条件を満たす企業または団体です。
- ・青森県内に事業所を新たに設置するか、既存施設を増設・拡張すること
- ・主に製造業や物流業など、地域の産業振興に資する事業を営む者
- ・一定の設備投資および新規雇用(例:3名以上など)を計画していること
■ 要件
物流枠の場合、下記の要件を満たす必要があります。
- ・投資額……1億円以上
- ・雇用増……5人以上
■ 補助額・補助率
物流枠の補助額と補助率は、下記の通りです。
補助額……上限 3億円
補助率……5%
秋田県|はばたく中小企業投資促進事業補助金
秋田県では、県内の中小企業が新たな設備投資を通じて成長を図る取り組みを支援するため「はばたく中小企業投資促進事業補助金」を実施しています。
この制度は、地域経済の活性化や雇用創出に資する事業を対象に、設備導入などにかかる費用の一部を助成するものです。補助金の活用により、中小企業は成長に必要な投資をより実行しやすくなり、地域の産業基盤強化にもつながります。
補助対象経費は下記の減価償却資産です。
- ・建物および付属設備
- ・構築物
- ・機械および装置
- ・工具・器具および備品
- ・無形固定資産(ソフトウェアのみ)
■ 対象者
この補助金の対象となるのは、以下の条件を満たす中小企業です。
- ・秋田県内に本社または事業所を有していること
- ・製造業、情報通信業、流通関連業、研究開発型企業などであること
- ・地域経済や雇用にプラスの影響をもたらす事業を計画していること
過去の補助金受給実績がある企業でも、適切に事業を完了していれば再申請が可能です。
■ 要件
補助金を受けるためには、以下の具体的な要件を満たす必要があります。
◾ 設備投資要件
- ・投下固定資産額(※土地除く)……1億円以上3億円未満
- ・環境・エネルギー型企業……3,000万円以上3億円未満
◾ 雇用要件
- ・原則:新たに常用雇用を5人以上
- ・下記のケースでは、2人以上で可
- 環境・エネルギー型企業かつ従業員100人以下
- 本社機能等を併せて移転する場合
- 国の賃上げ促進税制を活用する企業で、所定の賃上げ率を達成する場合
◾ その他要件
・事前に秋田県知事から「はばたく中小企業」の認定を受ける必要があります
・交付決定前に着手した事業は原則対象外です(要事前相談)
■ 補助額・補助率
補助額と補助率は下記の通りです。
- ・補助額……上限 3,000万円
- ・補助率……10%
山形県|企業立地促進補助金
山形県では、県内への新規立地や施設の拡張を促進し、地域経済の活性化と雇用創出を図るため、「企業立地促進補助金」制度を設けています。
この制度では、製造業や物流業など、地域に根ざした産業活動を支援することを目的に、建物・機械設備などの取得にかかる費用の一部が補助されます(※土地代は対象外)。
新規拠点の立ち上げや、既存施設の拡張を検討している企業にとって、初期投資の負担を軽減できる実効性の高い制度です。
■ 対象者
本補助金の対象となるのは、山形県内に以下のような事業所を設置・拡張する企業です。
- ・製造業
- ・物流関連業(条件付き)
- ・IT・ソフトウェア関連(専用制度あり)
- ・植物工場などの特定分野
ただし、対象となるには県知事の事前指定を受け、所定の投資・雇用要件を満たす必要があることに留意してください。
■ 要件
補助を受けるには、下記の条件を満たす必要があります。
(県内に用地を取得し、物流関連施設を設置する場合)
- ・固定資産の取得額(※土地は除く)……最低投資額 3億円以上
- ・雇用要件(新規雇用者数)…..新規地元常用雇用者(人員移転含む)が20人以上 ※雇用者は「雇用保険加入」「県内在住」「雇用期間の定めなし」であること
- ・スケジュール
- ・着手期限……用地取得から1年以内に工事開始
- ・操業期限……工事着手から2年以内(15億円超の投資は3年以内)
■ 補助額・補助率
補助額と補助率は、下記のように投資額と雇用者数によって異なります。
| 投資額 | 補助上限額 | 補助率 |
| 15億円以下の部分 | 3億円 | 15% |
| 15億円超えの部分 | 3億円 | 5% |
なお、別枠の「賃貸・リース型」の場合は、建物・設備の賃貸料(またはリース料)の20%を5年間補助してもらえます。
富山県|物流業務施設立地助成金
富山県では、物流拠点の集積を図ることを目的に「物流業務施設立地助成金」制度を設けています。この制度は、県内における物流施設の新設や増設に伴う設備投資に対して、一定の助成を行うことで、地域経済の活性化と雇用創出を促進することを目的としています。
具体的には、土地や建物、設備などが助成対象です(設備のみの取得は除く)。
■ 対象者
対象者は下記の通りです。
- ・製造業
- ・運輸業
- ・小売業
- ・卸売業
■ 要件
要件は下記の通りです。
- ・投資額……5億円以上
- ・新規雇用……10人以上
また、立地要件として整備する物流施設は原則として、港湾、インターチェンジ、鉄道貨物駅などの物流拠点から半径5km圏内の区域に位置していることが求められます。
施設の機能面についても、単なる保管や配送にとどまらず、在庫管理、検品、梱包などの高度な物流機能を備えた施設であることが条件です。
■ 助成額・助成率
補助額と補助率は下記の通りです。
- ・助成額……1億円
- ・助成率……5%
石川県|雇用拡大関連企業立地促進補助金
石川県では、県内の雇用創出と地域経済の活性化を目的に、「雇用拡大関連企業立地促進補助金」を提供しています。
この制度は、県内に新たな事業所を設置する企業が、常用雇用者を新規に雇い入れる場合に、その人数に応じた補助金を交付するものです。
■ 対象者
対象者は下記の通りです。
- ・製造業
- ・自然科学研究所
- ・ソフトウェア業
- ・デザイン業
- ・機械設計業
- ・情報処理・提供サービス施設
- ・物流施設(新設または増設)
■ 要件
要件は下記の通りです。
投資額……1億円以上
新規地元雇用者数+県外からの移転従業員数……15人以上
■ 補助額・補助率
補助額は、新設と増設で異なります。具体的な金額は下記の通りです。
| 補助限度額 | 基本補助額 | 加算額(新規地元雇用者) | 加算額(県外からの移転従業員) | |
| 新設 | 5億円 | 投資額の5% | 50万円×新規地元雇用者数 | 25万円×移転事業者数 |
| 増設 | 2億円 | 投資額の2.5% | 50万円×新規地元雇用者数 | 25万円×移転従業員数 |
参考:企業への助成と融資
福井県|企業誘致補助金
福井県では、県内への企業立地を促進し、地域経済の活性化と雇用創出を図るため「企業誘致補助金」を提供しています。
この制度は、福井県内で事業所を新設・増設・移転する企業に対して、設備投資額や新規雇用者数に応じた定額補助を行うものです。
具体的な補助対象経費は、下記の通りです。
- ・土地の取得費・造成経費
- ・工場等の建設経費
- ・機械設置等の取得経費
- ・工場等移転経費(一定の要件を満たす場合)
■ 対象者
福井県内で事業を開始してから10年以内の県外企業が対象です。ただし、物流関連産業の場合は、10年超え・県内企業も対象となります。
■ 要件
補助金を受けるには、下記の要件を満たす必要があります。
(物流関連産業の場合)
- ・投下固定資産額……5億円以上
- ・新規雇用者数……20人以上
■ 補助額・補助率
補助額と補助率は下記の通りです。
- ・補助額……6億円(1事業あたりの交付限度)
- ・補助率……20%
山梨県|産業集積促進助成金(製造業)
山梨県では、県内への製造業等の新たな立地や設備投資を促進し、地域経済の活性化と雇用創出を図るため「産業集積促進助成金」を提供しています。
この助成金は、一定額以上の設備投資と雇用創出を行う事業者に対して、投下固定資産額に応じた補助を行うもので、製造業をはじめとする地域の基幹産業の振興を支援する制度です。
■ 対象者
この助成金の対象は、下記の業種です。
- ・製造業
- ・物流業
- ・データセンター
- ・試験研究所
■ 要件
この助成金の要件は、下記の通りです。
- ・山梨県内で新たに事業所を設置・操業する事業者
- ・対象区域内(助成制度を有する市町村)に立地すること
- ・操業後1年以内に常用雇用者を10人以上増加(データセンターは5人以上)
- ・投下固定資産額(※土地除く)が3億円以上であること
■ 補助額・補助率
助成金の上限は、立地形態・業種・投下資産額に応じて段階的に設定されています。
| 上限額(200億円まで) | 上限額(200億超) | |
| 高度先端・成長分野 (県外新規立地) | 最大15億円 | 最大50億円 |
| 上記以外の県外企業 | 最大7.5億円 | |
| 県内企業 (高度先端・成長分野) | 最大7.5億円 | |
| その他の県内企業 | 最大5億円 (※100億円未満は3億円) |
補助率は下記の通りです。
| 立地形態 | 補助率 |
| 新たに土地を取得し工場等を建設 (操業まで3年以内) | 4% |
| 自社所有地に新設 | 2% |
| 空き工場等を取得して活用 | ・建物……2%・設備……4% |
| 試験研究所の設置 | 2% |
岐阜県|企業立地促進事業補助金
岐阜県が提供する「企業立地促進事業補助金」は、県内への企業誘致や既存企業の設備投資を支援し、地域経済の活性化と雇用創出を目的とした制度です。
この補助金は、岐阜県内に新たに事業所を設置する企業や、既存の事業所を拡張・再投資する企業を対象に、初期投下固定資産額(土地・建物・償却資産)に対する補助を行うものです。特に、製造業や物流関連産業など、地域経済に貢献する業種が重点的に支援されています。
■ 対象者
補助金の対象となるのは、以下の条件を満たす企業です。
- ・岐阜県内に新たに事業所を設置する、または既存の事業所を拡張・再投資する企業
- ・製造業、研究開発施設、物流施設、植物工場など、県が指定する業種に該当する企業
- ・地域経済の活性化や雇用創出に寄与する事業計画を有する企業
■ 要件
物流関連事業者が補助金を受けるには、下記の要件をすべて満たす必要があります。
- ・初期投下固定資産額……10億円以上
- ・新規地元常用雇用者数…..10人以上
【その他の要件】
- ・建物着工の90日前までに指定申請書を提出していること
- ・事業所を設置する市町村の優遇策の適用を受けていること
- ・岐阜県から他の補助金等の税財政優遇策の適用を受けていないこと
- ・岐阜県ワーク・ライフ・バランス推進企業の登録を受けていること
- ・「清流の国ぎふ」SDGs推進ネットワークに入会していること
- ・「パートナーシップ構築宣言」へ参加していること
■ 補助額・補助率
補助額と補助率は下記の通りです。
| 投資額要件 | 雇用要件 | 補助率(上限) | 補助限度額 | |
| 新規進出企業 | 10億円以上 | 10人以上 | 10%以内 | 5億円 |
| 県内再投資(既存企業) | 10億円以上 | 10人以上 | 5%以内 | |
| 成長産業 | 3億円以上 | 10人以上 | 10%以内 | |
| 中小企業 | 5億円以上 | 10人以上 | 10%以内 | |
| 物流関連産業 | 10億円以上 | 10人以上 | 10%以内 |
静岡県|新規産業立地事業費補助金
静岡県の「新規産業立地事業費補助金」は、県内での工場、物流施設、研究所の新設や増設に伴う設備投資を支援する制度です。この補助金は、地域経済の活性化や雇用の創出を目的としており、特に製造業や物流業などの新規参入を支援することで、地域の産業基盤を強化する狙いがあります。
■ 対象者
この補助金の対象者は、静岡県内に新たに事業所を設立する法人や個人事業主であり、一定の要件を満たす必要があります。具体的には、事業計画が明確であり、地域に貢献する内容であることが求められます。
また、補助金の申請には、事業の実施に必要な経費の見積もりや、事業の進捗状況を報告する義務があります。
■ 要件
物流施設で補助金を活用するには、下記の要件を満たす必要があります。
- ・設備投資額……5億円以上
- ・県内雇用増……1人以上
- ・必須設置設備……流通加工用設備等
- ・事業期間……用地取得日から3年以内の操業開始(未造成地は5年、自社有地は2年以内)
- ・交付条件……雇用人数を3年間維持
- ・交付回数……制限なし
■ 補助額・補助率
補助金の補助率と限度額は、以下の通りです。
- ・補助限度額……7億円
- ・補助率……7%
奈良県|企業立地促進補助金
奈良県の「企業立地促進補助金」は、県内への新たな企業立地や既存施設の機能強化を支援する制度で、地域経済の活性化を目的としています。令和6年度から制度が大幅に見直され、雇用要件の撤廃や補助上限額の引き上げなど、企業にとって利用しやすい内容となっています。
■ 対象者
この補助金の対象となるのは、以下のいずれかに該当する企業です。
- ・製造業の工場や研究所を新たに立地する中小企業
- ・本社機能を移転する企業
- ・特定の物流施設を立地する企業
- ・上記の施設等を機能強化する企業
これらの企業が、奈良県内で新たに事業所を設置する場合や、既存の事業所を拡張・機能強化する場合に補助の対象となります。
■ 要件
補助金を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。
- ・事業の着工日から起算して3年以内(投資額が50億円以上の場合は5年以内)に操業を開始すること
- ・固定資産投資額が6.5億円以上(南部・東部に立地する場合……4億円以上)
■ 補助額・補助率
補助額と補助率は、下記の通りです。
補助上限額……2億円
補助率……固定資産投資額の10%
香川県|企業誘致助成制度
香川県では、県内への新規事業所の立地や設備投資を促すため「企業立地促進補助金」を設けています。対象は製造業・物流業・情報通信業などで、設備投資や新規雇用を行う企業に対し、最大5億円の助成が行われます。地域経済の活性化と雇用創出を図ることを目的とした制度です。
■ 対象者
香川県の企業誘致助成制度では、下記の業種・施設が対象です。
- ・製造業の工場
- ・物流施設(配送センター、倉庫など)
- ・情報通信関連施設(データセンター、ソフトウェア開発拠点など)
- ・コールセンター、事務処理センター
- ・クリエイティブ関連産業(デザイン、映像、コンテンツ等)
■ 要件
要件は下記の通りです。
- ・香川県内に新たに事業所を設置または拡張すること
- ・県が定める投下固定資産額以上の設備投資を行うこと
- ・県が定める新規常用雇用者数以上の雇用を創出すること
なお、物流拠点施設等を設置する場合の「投下固定資産額」と「新規常用雇用者数」は下記の通りです。
【投下固定資産額】
- ・1回目……5億円以上
- ・2回目……10億円以上
【新規常用雇用者数】
- ・10人以上
■ 補助額・補助率
補助額は下記の通りです。
| 投資に対する助成 | 1回目……10%2回目……5% |
| 雇用に対する助成 | 11人目以降……新規常用雇用者数×50万円51人目以降……新規常用雇用者数×100万円 |
| 一対象施設あたりの限度額 | 5億円 |
熊本県|地場企業立地促進補助金
熊本県が実施する「地場企業立地促進補助金」は、県内の地場企業が工場や事業所の新設・増設を行う際に、設備投資や雇用創出を支援する制度です。地域経済の活性化と雇用機会の拡大を目的としています。
■ 対象者
この補助金の対象となるのは、熊本県内に本社を有する企業(誘致企業を除く)で、県が事前に認定した工場や事業所の新設・増設を行うものです。
対象業種は、製造業、サービス業の一部(情報サービス業、運輸業等)、および研究開発業が含まれます。特に、熊本県産業成長ビジョンで重点基幹産業とされるセミコンダクタ、モビリティ、新エネルギー、食品バイオ、IT・コンテンツ関連分野が重視されています。
■ 要件
補助金を受けるためには、以下の要件をすべて満たす必要があります
- ・投下固定資産額(土地代除く)……3億円以上
- ・新規雇用者数……一般:5人以上
- ・経営力向上計画に記入した計画終了時の目標達成または先端設備導入計画に記入した計画終了時の目標達成
■ 補助額・補助率
補助額と補助率は下記の通りです。
- ・補助限度額……5億円
- ・補助率等は個別に設定
大分県|産業立地促進補助金
大分県が提供する「産業立地促進補助金」は、県内への企業誘致と地域経済の活性化を目的とした支援制度です。この補助金は、新たに事業所を設置する企業や既存事業所の拡張を行う企業に対して、設備投資や雇用創出に伴う経費の一部を補助するものです。
■ 対象者
この補助金の対象者は下記の通りです。
- ・製造業
- ・物流業
- ・商品検査業(半導体検査業)
■ 要件
補助金の申請には、以下の要件を満たす必要があります。
【設備投資額】
- ・新設の場合……3億円以上
- ・増設の場合……2億円以上
【新規雇用者数】
- ・新設の場合……5名以上(大分市内は10名以上)
- ・増設の場合……2名以上(大分市内は5名以上)
【工場等の建設着手時期】
- ・用地取得後3年以内に建設に着手すること(県および県土地開発公社が造成した団地は5年以内)
- ・増設の場合は、増設表明後1年以内に建設に着手すること
■ 補助額・補助率
補助金の額や補助率は、事業の内容や規模に応じて異なります。一般的には、設備投資額の3%が補助され、新規雇用者数に応じて50万円×人数が加算されます。
ただし、補助金の上限額は3億円です。また、過疎地域での事業の場合は、30万円×新規雇用者数が加算され、上限額は3,000万円です。
さらに、経済産業省の「サプライチェーン対策の国内投資促進事業費補助金」や「事業再構築補助金(サプライチェーン強靱化枠)」に採択された場合、補助率が6%に引き上げられ、補助金の上限額も6億円に増額されます。

まとめ
2025年の物流倉庫における補助金活用は、コスト削減と競争力強化の両立に欠かせない戦略です。
設備投資やDX推進、省力化に関する補助制度を的確に使いこなすことで、企業の成長を力強く後押しできます。制度を見逃さず活用することが、次の一手を左右する鍵になるでしょう。