物流倉庫の利用を検討する際は、坪単価の相場を把握することが重要です。倉庫の立地や設備、提供されるサービスによって料金は大きく異なりますが、固定費と変動費の両面から適正なコストを見極めることが求められます。
本記事では、全国の物流倉庫の坪単価相場を紹介し、倉庫を利用する際に発生する固定費・変動費の内訳について詳しく解説します。また、コストを抑えるためのポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
全国の物流倉庫の坪単価相場とは

物流倉庫の坪単価は、倉庫の立地や設備、提供されるサービスによって大きく異なります。全国的に見ると、坪単価は地域ごとに差があり、都市部では高めの傾向があります。例えば、下記のように地域ごとに差があります。
- 首都圏……4,500円 / 坪
- 近畿圏……4,210円 / 坪
- 中部圏……3,670円 / 坪
- 福岡県……3,540円 / 坪
参考:賃貸倉庫・物流施設の市場動向|ロジスティクスマーケットビュー2024年第4四半期
しかしながら、坪単価は、倉庫の広さや利用目的によっても変動します。例えば、長期的な契約を結ぶことで割引が適用される場合や特定の業種向けに特化したサービスを提供する倉庫では、坪単価が異なることがあります。また、倉庫の立地や設備、温度管理などの付加価値が坪単価に影響を与える要因となります。
このように、全国の物流倉庫の坪単価相場を理解することは、コスト管理や効率的な物流戦略を立てる上で非常に重要と言えるでしょう。
【固定費】物流倉庫にかかる費用とは

物流倉庫を利用する際には、さまざまな費用が発生しますが、その中でも固定費は特に重要な要素です。固定費とは、倉庫の利用に関わらず発生する費用であり、長期的なコスト管理において把握しておくべき項目です。ここでは、物流倉庫にかかる主な固定費について詳しく解説します
倉庫保管料
倉庫保管料は、物流倉庫を利用する際に最も基本的な固定費の一つで、保管する商品の体積や重量、保管期間によって異なります。一般的に坪単価で計算されることが多く、倉庫の立地や設備レベルによっても大きく変動します。
例えば、都市部に位置する倉庫は需要が高いため、坪単価が高く設定される傾向があります。一方、郊外や地方にある倉庫は、坪単価が比較的安価に設定されることが多くあります。また、倉庫の設備やサービス内容も料金に影響を与えます。冷蔵・冷凍設備が整っている倉庫では、保管料が高くなることがあります。
さらに、長期契約を結ぶことで割引が適用される場合もあります。倉庫を利用する際は、保管料だけでなく、契約条件やサービス内容も考慮し、総合的にコストを見極めることが重要です。
システム利用料
物流倉庫を利用する際に発生する固定費に「システム利用料」があります。この料金は、倉庫管理システムや在庫管理システムなど、倉庫の運営に必要なITシステムを利用するための費用を指します。
システム利用料は、倉庫の規模や提供されるサービスの内容によって異なります。一般的には、月額固定料金として設定されることが多いですが、利用頻度や機能に応じて変動する場合もあります。例えば、特定の機能を追加する場合や、データの分析サービスを利用する際には、追加料金が発生することがあります。
また、システム利用料は、倉庫の運営コストに直接影響を与えるため、事前にしっかりと確認しておくことが重要です。特に、長期的に倉庫を利用する予定がある場合、システム利用料が総コストにどのように影響するかを考慮する必要があります。予算の計画やコスト削減の戦略を立てる際に役立つでしょう。
業務管理料
業務管理料は、荷役料とは別に倉庫の運営に関わる業務内容を指すことが多く、具体的には在庫管理、受発注管理、顧客対応、データ分析などが含まれます。
業務管理料は、倉庫の規模や提供されるサービスの内容によって異なります。例えば、システムを活用した高度な在庫管理を行っている倉庫では、業務管理料が高く設定されることがありますが、その分効率的な運営が期待できるため、長期的にはコスト削減につながる可能性もあります。
また、業務管理料には、スタッフの人件費も含まれることが多い傾向です。また、専門的な知識やスキルを持ったスタッフがいる場合は、その分のコストが業務管理料に反映される可能性もあります。
【変動費】物流倉庫にかかる費用とは

物流倉庫を利用する際には、固定費だけでなく変動費も考慮する必要があります。変動費は、倉庫の利用状況や業務の内容に応じて変動するため、予算管理において重要な要素となります。ここでは、物流倉庫にかかる主な変動費について詳しく解説します。
入荷料
物流倉庫における入庫料は、商品の受け入れ時に発生する費用です。商品を検品・仕分けし、倉庫内に収納する作業が該当します。
このプロセスでは、入庫した商品が発注内容と一致しているか、破損や不良品がないかをチェックします
料金については、入荷する商品のサイズ別・ユニット別(ケース/パレット単位)などで様々な形態がある為、事前に見積もりを取ることが重要です。
デバンニング/バンニング料
デバンニング/バンニング料とは、輸送された貨物をコンテナやトラックから倉庫に移し替える、またはその逆を行う際に発生する費用のことを指します。
一般的に、デバンニング/バンニング料は貨物の重量や体積に基づいて計算されることが多く、特に大型のコンテナや特殊な貨物の場合、追加料金が発生することがあります。また、デバンニング作業には専門的な技術や設備が必要な場合もあり、そのための人件費や機材費が料金に含まれることもあります。
ピッキング・出荷料
物流倉庫におけるピッキング・出荷料は、商品の取り出しや方面別への仕分けなどの費用を指します。特に多品種少量生産やECサイト向けの物流においては、コストの大部分を占めることがあります。
ピッキング作業はケース単位、及び小分け(バラ)単位での出荷作業を行うことが多く、B to Bや、B to C(EC向け)などその形態ごとに細かな料金が設定されています。特に物量が多いEC向けの場合には特定の設備を導入していることが多く、その倉庫内の生産性が出荷物量を問題なくこなすことができるかは事前に確認が必要です。
梱包・流通加工料
物流倉庫を利用する際に発生する梱包・流通加工料は変動費となり、商品の梱包や流通加工にかかる作業に対して発生します。
具体的には、商品の包装、ラベル貼り、組み立て、さらには特定の顧客ニーズに応じたカスタマイズ作業などが含まれます。この費用は、上記のピッキング作業とは別に費用加算されることが多くあり、さらには梱包資材自体の費用も含まれることが一般的です。
梱包作業は、商品の保護や輸送中の損傷を防ぐために欠かせないプロセスです。適切な梱包を行うことで、商品が無事に顧客の手元に届く確率が高まります。また、流通加工は、商品の流通経路において必要な加工を行うことで、効率的な物流を実現します。
例えば、商品のセット販売や、特定の販売促進用のパッケージングなどがこれに該当します。
配送料
配送料は、商品の配送にかかるコストを指し、倉庫から顧客や取引先への輸送に必要な費用を含みます。この費用は、配送先の距離や荷物のサイズ、重量、さらには配送業者によっても大きく変動します。
例えば、定期的に大量の荷物を配送する場合は単価が下がることが多いですが、少量の配送を頻繁に行う場合は逆にコストがかさむことがあります。
また、配送料には、基本運賃の他に追加料金が発生することもあります。例えば、特急便や冷蔵・冷凍配送、時間指定配送など、特別なサービスを利用する場合には通常の運賃に加えて追加料金が必要な可能性もあります。
物流倉庫を選ぶ時のポイント

物流倉庫を選ぶ際は、単に坪単価や立地だけでなくさまざまな要素を考慮することが重要です。ここでは把握しておきたいポイントを2つご紹介します。
料金とサービス内容が見合っているか
物流倉庫を選ぶ際に重要なポイントの一つは、料金と提供されるサービス内容が適切にバランスを取れているかどうかです。坪単価が安いからといって必ずしも良い選択とは限らず、逆に高額な料金を支払っても期待したサービスが受けられない場合もあります。
まず、倉庫の立地や設備、セキュリティ対策などが料金にどのように反映されているかを考慮しましょう。例えば、都心部に位置する倉庫は坪単価が高くなる傾向がありますが、その分アクセスの良さや迅速な配送が可能になるメリットがあります。また、冷蔵・冷凍設備や特殊な保管方法が必要な場合は、それに応じた追加料金が発生することもあります。
次に、提供されるサービスの内容を確認することも重要です。例えば、入庫や出庫の際の手続きがスムーズであるか、検品やピッキングの精度が高いかどうかなど、実際の業務に影響を与える要素を見極める必要があります。
過去の取引実績が豊富にあるか
物流倉庫を選ぶ際には、その倉庫の過去の取引実績が非常に重要な指標となります。豊富な実績を持つ倉庫は、さまざまな業種やニーズに対応してきた経験があるため、信頼性が高いといえます。特に、特定の業界に特化したサービスを提供している倉庫であれば、その業界特有の要件や流通の流れを熟知しているため、スムーズな運営が期待できます。
また、過去の取引実績が多い倉庫は、顧客からのフィードバックや改善点を反映させることで、サービスの質を向上させている可能性が高い傾向にあります。これによって顧客満足度が向上し、長期的なパートナーシップを築くことができるでしょう。
物流倉庫を安く利用するためのコツ

物流倉庫を利用する際にコストを抑えるためには、いくつかのポイントを押さえることが重要です。ここでは主なものを3つご紹介します。
必要以上のスペースにお金を使わない
物流倉庫を利用する際、必要以上のスペースにお金を使わないことは非常に重要です。倉庫の坪単価は、保管する商品量や種類に応じて変動しますが、無駄なスペースを借りることでコストが増加してしまうことがあります。したがって、事前に自社の物流ニーズを明確にし、必要なスペースを正確に把握することが求められます。
例えば、季節によって需要が変動する商品を扱っている場合、ピーク時に合わせたスペースを確保し、オフシーズンには縮小することができる柔軟な契約を選ぶことが賢明です。また、在庫管理の効率化を図るためには商品の回転率を考慮し、適切なスペースを確保することが大切です。無駄なコストを削減し、経営の効率を高めましょう。
それぞれの立地のメリットを知る
物流倉庫を選ぶ際には、立地の選定も非常に重要です。立地によって運送コストや配送時間、さらには顧客へのサービスレベルに大きな影響を与えるため、各地域の特性を理解することが必要です。
例えば、都市部に位置する倉庫は、顧客や取引先へのアクセスが良好で、迅速な配送が可能です。しかし、坪単価は高くなる傾向があります。一方、郊外や地方にある倉庫は、坪単価が比較的安価であるものの、配送にかかる時間やコストが増加する可能性があります。このため、どの立地が自社のビジネスモデルに最適かを慎重に検討する必要があります。
また、特定の業種に特化した立地も存在します。例えば、製造業に近い倉庫は、原材料の入庫や製品の出荷がスムーズに行えるため、効率的な物流が実現できます。さらに、交通インフラが整備された地域では、トラック輸送や鉄道輸送の利便性が高まり、コスト削減につながることもあります。
立地の選定は単なる坪単価の比較だけでなく、全体的な物流コストやサービス品質に直結するため、各地域のメリットをしっかりと把握し、自社のニーズに合った倉庫を選ぶことが求められます。
必要なオプションだけ利用する
物流倉庫を利用する際には、必要なオプションだけを選択することがコスト削減につながります。多くの倉庫ではさまざまなサービスやオプションが提供されていますが、すべてを利用する必要はありません。まずは自社の物流ニーズを明確にし、どのサービスが本当に必要かを見極めることが重要です。
例えば、特定の商品の取り扱いに特化した倉庫を利用する場合、検品や梱包などのオプションが必要になることがあります。逆に一般的な商品を扱う場合は、これらのオプションを省略することでコストを抑えることが可能です。また、季節や需要に応じてオプションを柔軟に選択できる倉庫を選べば、無駄な支出を防げます。
さらに、オプションの利用にあたっては、料金体系をしっかりと確認することも大切です。オプション料金が明確でない場合、後から予想以上のコストが発生することもあるため、契約前に詳細な見積もりを取得し確認することを忘れずに行ってください。
まとめ
本記事では、全国の物流倉庫の坪単価相場や費用項目について詳しく解説してきました。物流倉庫を利用する際には、固定費と変動費の両方をしっかりと把握し、適正なコストを見極めることが重要です。倉庫保管料やシステム利用料、業務管理料といった固定費は、長期的なコストに大きく影響します。一方で、入庫料やデバンニング料、検品料などの変動費は、実際の業務量に応じて変動するため、予測が難しい部分もあります。
また、物流倉庫を選ぶ際には、ご紹介したポイントを押さえることが重要です。コストを抑えつつ、効率的な物流運営が可能になるよう、ご紹介した内容を参考に賢く倉庫選びを進めてください。
物流倉庫の選定は、業務の効率性やコスト構造に直結する、極めて重要な意思決定の一つです。立地条件をはじめ、下記のような複数の要素をバランスよく比較することで、自社に最適な倉庫を見極められます。
- 提供サービスの質
- 保管環境
- 料金体系
- 過去の実績 など
さらに、自然災害への備えやセキュリティの整備状況、コンプライアンスの観点など、リスク管理の面でも十分な確認が求められます。特に、外部委託を検討する場合には、物流戦略の最適化だけでなく、企業全体の成長基盤としても大きな役割を果たすでしょう。
中でも注目されているのが、保管期間や荷物量に応じて柔軟に使える冷凍保管サービスです。季節による波動や短期間・少量対応のニーズが高まるなか、必要な分だけ利用できる仕組みが、多くの企業から支持を集めています。
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