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物流における残荷とは?発生する原因や2024年問題との関係・対策

「出荷予定だったのに、荷物が積み切れずに残ってしまった」そんな残荷(積み残し)の経験を持つ担当者の方も多いのではないでしょうか。

残荷は単なる現場トラブルにとどまらず、納期遅延やコスト増加、取引先との信頼低下にもつながる重要な課題です。近年は物流2024年問題の影響により、これまで運べていた荷物が「運べなくなる」リスクも現実味を帯びています。

本記事では、物流における残荷の基本的な意味から、発生する主な原因、2024年問題との関係性、そして実務で検討したい具体的な対策までをわかりやすく解説します。

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    物流における「残荷」とは 

    物流における「残荷」とは 

    物流現場で「残荷」とは、配送トラックに予定されていた荷物が積み残され、予定通り出荷できない状態になることを指します。積載計画に基づいて積むべき荷物が積み切れないため、配送便が出発した後に荷物が倉庫やセンターに残る状況です。

    荷物が滞留することで、納期遅延や追加手配、再配送費用の発生といった現場負担の増加を招きます。残荷は繁忙期や出荷計画のズレ、人的ミスなど複数の要因が絡み合って発生しやすく、物流管理における重要なリスクの一つと言えます。

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      残荷(積み残し)が発生する原因

      残荷(積み残し)が発生する原因

      残荷が発生する背景には、人・物・情報の連携不足や出荷計画の不備など複数の原因があります。代表的な項目を見ていきましょう。

      積載計画の甘さと容積・重量の見積もりミス


      トラックへの積載計画が不十分だと、実際の荷姿や重量に対応できず残荷が発生します。積載計画は単なる個数計算ではなく、パレット形状、箱サイズ、重量バランスを考慮しなければなりません。

      特に、荷姿が多様な場合、同じ数量でも必要な容積が大きく変わるため、積載計画の精度が重要になります。

      積載シミュレーションの精度が低いと、積み切れない荷物が発生し、送り先ごとの配送ルート変更や再配送の手配が必要になります。積載シミュレーションの精度向上が重要です。

      出荷指示の遅れや急な追加オーダー等の連携不備


      出荷指示が遅れたり、急な追加指示が発生すると、現場は予定どおりに積込手配ができなくなります。朝出発直前になって荷物が追加されると、既存の積載計画に空きがなく、積み切れない残荷が発生するリスクが高まります。

      また、基幹システムやWMS、配送会社との連携が不十分だと、情報の反映タイムラグが生じ、現場での判断が後手に回ります。出荷指示と実際の積載計画をタイムリーに共有できる仕組みがないと、残荷リスクは高まります。

      確認不足による人的ミス


      現場では、人手による確認・入力作業が多く、人的ミスが残荷発生の要因になることがあります。出荷ラベルや件数チェック、積載優先順位の確認漏れなど、些細な確認不足が積載計画のズレにつながり、結果として積み残しが起こります。

      また、作業担当者の経験差や繁忙時の焦りによってミスが増える傾向もあります。ヒューマンエラーを防止するためには、チェックシートや作業手順標準化、教育訓練の徹底が必要です。

      繁忙期による物量の急増 


      年末年始、連休前、繁忙期など、物量が急増する時期は積載計画通りに進まないことが多くなります。物量が急増すると、トラックや人手のキャパシティを超過しやすく、現場は出荷優先順位の判断を迫られ、結果的に一部の荷物が積み残されることになります。

      通常期の処理能力でシミュレーションされた計画では対応できず、現場は手作業で調整を繰り返すことが増え、残荷リスクが高まります。繁忙期を見据えた輸送力の確保が重要です。

      物流2024年問題と残荷リスク

      物流2024年問題と残荷リスク

      2024年問題が物流にもたらす影響は、残荷リスクの増大と密接に関係しています。働き方改革に伴う規制強化は、輸送キャパシティの低下を招き、荷物を「運べない」状況を現実化させています。

      労働時間規制による輸送能力の低下


      2024年問題とは、働き方改革関連法の適用により、トラックドライバーの年間時間外労働の上限が960時間に制限されることで、長時間労働によって支えられてきた物流体制が逼迫する課題を指します。

      時間規制が強化されることで、一人のドライバーが一日に運べる距離や便数が減少し、輸送キャパシティが低下します。これにより、従来は積載可能だった荷物すべてを予定どおりに輸送することが難しくなり、積み残しや出荷遅延のリスクが高まっています。

      規制の影響は、もともと深刻化していたドライバー不足と相まって物流全体の負荷を高め、残荷発生リスクをさらに押し上げています。

      運べないリスクの現実化


      輸送能力の低下は、単にドライバーの拘束時間が短くなるだけでなく、物流現場全体に波及します。

      配送センター・倉庫からトラックへ積み込むペースや時間調整が厳格化され、予定ルートの見直しが必要になります。これにより、特に忙しい時間帯では通常のフローで運べない荷物が増え、残荷が発生しやすくなっています。

      また、荷主側も在庫引き取りや納品時間を従来どおりに設定しにくくなり、結果として運送会社のスケジュールの再調整や人員の再配置などの問題も発生し、残荷リスクが顕在化しています。規制対応と効率化の両立が物流現場の大きな課題です。

      残荷を防ぐための対策

      残荷を防ぐための対策

      残荷を未然に防ぐには、積載計画だけでなく、出荷フローや物流戦略全体を見直すことが重要です。現場でも実践できる効果的な対策を紹介します。

      リードタイムの延長と分散出荷


      リードタイムを長めに設定し、分散して出荷するなど、出荷計画の柔軟性を高めることが重要です。急ぎの荷物や繁忙期の物量を一括で処理すると、積載計画が逼迫して残荷が発生しやすくなりますが、出荷時点を分散することで現場負荷を分散できます。

      特にECや季節波動の大きい荷主では、早めの出荷指示や部分納品の設定によって、積載計画と現場処理のズレを軽減することが可能です。

      パレット輸送や予約システムの活用


      パレット輸送を積極的に取り入れることで、荷役や積載の標準化が期待できます。パレット化によって荷姿が標準化され、容積・重量管理が精度高く行えるため、積載計画の精度が上がり残荷発生リスクを抑えられます。

      また、配送便やドライバーの空き状況を事前に予約できるシステムを活用すれば、積載空間やスケジュールの可視化が進み、急な出荷指示や変更にも柔軟に対応できます。予約システムは荷主・物流会社・ドライバー間の連携強化にも寄与します。

      モーダルシフトの検討


      トラック輸送だけに頼らず、鉄道・船舶等のモーダルシフトを取り入れることは、輸送キャパシティの分散と残荷リスク軽減につながります。

      モーダルシフトは距離や納期条件に応じて最適な輸送方法を選択する戦略です。これにより、トラックの労働時間規制などの影響を受けにくい輸送手段を確保できます。ドライバー不足への対応やCO₂排出量削減の観点からも注目されています。

      特に長距離輸送や大量貨物の場合、鉄道やフェリーの活用は荷姿の安定性やコスト面でも効果が見込まれます。

      求貨求車システムの活用


      求貨求車(マッチング)システムを活用することで、輸送キャパシティの有効活用と残荷リスクの低減が可能です。

      求貨求車システムは、荷物を運べる空き車両と荷主の出荷物をマッチングするクラウドサービスであり、タイムリーな情報共有によって空車情報や輸送需要を可視化します。

      これにより、輸送機会の損失を減らし、積載効率を高めることができます。また、急な配送依頼にも柔軟に対応しやすくなり、残荷発生の回避につながります。

      まとめ

      残荷は積載計画のズレや出荷・配送の連携不備、繁忙期の物量増加など複合的な要因で発生します。特に物流2024年問題による労働時間規制は輸送キャパシティを低下させ、運べないリスクを高めています。

      リードタイムの見直しやパレット輸送の活用、求貨求車システムなどの対策を講じることで、残荷の発生を軽減し、安定した物流オペレーションにつなげましょう。

      編集・監修

      コールドクロスネットワーク編集部

      物流・倉庫業界の実務知識を発信する編集チームです。サプライチェーン領域の専門家、実務経験者、ライターの皆様に助けられながら、 「物流から世界をもっと便利に変える」を共に目指しています。

      編集委員

      高田 直樹

      株式会社ロジパード 代表取締役・元物流weekly東京本社社長

      物流事業の実務、経営に精通し、現場視点から本メディアの編集方針を監修。

      編集委員

      鈴木 邦成

      物流エコノミスト・日本大学特任教授/博士(工学)・日本ロジスティクスシステム学会理事・日本SCM協会会長

      物流、ロジスティクス工学の専門家として、記事内容の学術的正確性を監修。

      注:本記事は編集委員の監修のもと作成していますが、掲載情報は執筆時点のものです。法令・制度の改定や市場環境の変化により内容が変わる場合があります。個別の判断については、専門家または関係機関へのご確認を推奨します。

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        最終更新日 2024年7月17日

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